コロナで臨時休園、保護者ら対応に苦慮 代替保育の整備進まず

西日本新聞 社会面 泉 修平

「実家の親頼れない」子どもの感染懸念

 保育園の職員や園児が新型コロナウイルスに感染して臨時休園となるケースが増え、保護者が対応に苦慮している。国は、どうしても子どもの世話をできない家庭向けに代替保育を用意するよう求めるが、九州の政令市と県庁所在地の8市のうち、実施しているのは北九州市のみ。子どもに感染の可能性が否定できないことがネックとなり、他の預け先の確保は困難な状況となっている。

 「実家に子どもを預けることも考えたが、高齢の親にコロナをうつしたら目も当てられないと断念した」。感染者が出た福岡市内の保育園に娘2人を通わせる30代女性会社員は振り返る。女性は10日間ほど仕事を休んで対応。「職場の人数はぎりぎりで、業務に支障もあった。同僚は『コロナだからしょうがない』と言うが、やはり気にはなる」と振り返る。

 別の40代女性は臨時休園中、次男を自営の店舗を兼ねた自宅で世話した。客にその旨を伝えると来店を見合わせる人もいたという。「息子は濃厚接触者ではないと判断され、検査を受けられなかった。陰性が確認できれば安心して接客できただろうに」と話す。

 保育園での新型コロナ感染を受け、福岡市内では7月に6カ所、8月は12日までに6カ所が臨時休園した。市によると、多くの園は保健所の調査を踏まえて2、3日程度休園し、感染者と接触した園児や職員は経過観察として2週間休ませているという。同様に学童保育を休止した例も8月に4カ所出ており、新型コロナの影響が保育の場に急速に広がっている。

   ◇    ◇

 国は臨時休園の際、訪問保育やベビーシッターなど代替措置を講じるよう求めている。九州の政令市、県庁所在地で唯一、準備が整っている北九州市は、5月から主に医療従事者の子どもを市の子育て支援施設で預かっており、8月上旬までに延べ25人が利用した。

 一方で、大多数の自治体は代替保育を実現できていない。福岡市の担当者は最大の障壁について「園児の感染が否定できず、感染が広がる恐れがある」ことを挙げる。佐賀市は休園した園の園児を他の園で受け入れられないか保育園団体と協議したが、「難しい」との回答が多かったという。おむつ替えなど保育士と園児の接触は濃厚で、ある市の担当者は「防護服を着て保育をするわけにはいかない」と話す。

 さらに保育士や保育施設の慢性的な不足も影響。「公立保育所の職員はぎりぎりで融通できない」(佐賀市)、「市内の認可保育所はほぼ埋まっている」(大分市)など悩ましい課題となっている。

 新型コロナ感染に収束の気配はなく、今後も保育園での感染は相次ぐとみられる。厚生労働省保育課は「感染防止と保育の受け皿確保の両立は簡単ではないが、医療従事者など社会機能を維持するために働く必要がある人に対し、保育を提供できない状況となることは避けてほしい」と話している。

(泉修平)

福岡県の天気予報

PR

福岡 アクセスランキング

PR

注目のテーマ