昨夏の北アルプス。「彼女」は、並み居る撮影者の前で悠々と延々と…

西日本新聞 社会面 阪口 由美

 昨夏の北アルプス。「彼女」は、並み居る撮影者の前で悠々と延々と、砂浴び姿を披露してくれた。周囲では子どもたちが「お母さん、まだ~?」とばかりにうろちょろ。

 この親子は、国の特別天然記念物で絶滅危惧種にも指定されているライチョウ。本州中部の高山帯にだけ生息する。山小屋近くでも平気で現れるので、登山客の人気者だ。

 なぜ人を恐れないのか。山小屋のご主人によると「日本では『捕って食う』ことがなかったから」。狩猟の対象だった海外では「目が合うと逃げる」のが当たり前で、研究者もびっくり、なのだとか。

 約2万年前の氷河期にやって来て高山で生き延びた彼らも地球温暖化で危機にある。生息域は狭まり、カラスなどの天敵増加で個体数が激減。ほのぼの遭遇できた日々は、貴重な思い出になってしまうのか。コロナで登山自粛を余儀なくされ思いが募る。あちらも人恋しく思っていては…くれないか。 (阪口由美)

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