熊本の感染者数、累計400人超す 1ヵ月で「第1波」の7倍

「家族内感染」が増加

 熊本県内の新型コロナウイルス感染者が累計で400人を超えた。4月下旬以降、一時は落ち着きを見せていた新規感染者は、7月末から急増し、わずか1カ月足らずで2~6月に確認された累計感染者の7倍を記録。造船所や介護施設ではクラスター(感染者集団)も発生した。到来した感染の「第2波」。急速な感染拡大について、県や熊本市の担当者は「家族内感染」の増加を一つの要因に挙げ、注意を呼び掛けている。

 「今回が最大の危機」。7月26日、長洲町の造船所で県内初のクラスターが発生したことを受けた記者会見で、蒲島郁夫知事は緊張感をにじませた。この時、すでに第2波は始まっていたとみられる。

 県内では2月21日に初の感染が確認されて以降、5月8日までの間に47人が感染。ただ、その後6月の新規感染者は1人だけで、流行は下火になっていた。

 状況が一変したのは7月20日。熊本市で約2カ月ぶりの新規感染が確認されると、口火を切ったかのようにその後は続出した。同月26日~8月1日の1週間で157人の感染が確認され、8月15日時点で累計感染者数は402人に上った。

 急増の最大の要因はクラスターの発生だ。県内ではこれまでに長洲町の造船所で113人、山鹿市の介護施設で49人の感染が確認されたほか、熊本市の飲食店2カ所も認定された。

 県健康危機管理課によると、特に造船所ではマスクの着用が徹底されていなかったり、対面で食事を取っていたりしていたという。人が多い場所で対策を講じなければ、短期間で感染が広がることが改めて浮き彫りになった。

 一方、クラスターを除く要因として県や熊本市の担当課が指摘するのが「家族内感染」の増加だ。西日本新聞のまとめでは7月20日~8月15日の間、感染者の濃厚接触者として陽性が判明した家族は約50人。父親の感染が分かった後、同居する妻や子ども2人の感染が相次いだケースもあった。

 熊本市の大西一史市長も12日の記者会見で、7月末までは県境をまたぐ移動や飲食店を利用した若年層の感染例を挙げていたが、その後は家族内感染などによって幅広い年齢層へ拡大しているとの見方を示した。

 家族が共同生活を送る家庭内で「3密」を回避するのは現実的に難しい。結果として「一度ウイルスが持ち込まれると、家庭内で広がる可能性は高い」(市担当者)。県健康危機管理課は「外出時のマスクの着用や感染リスクが高い場所へは行かないなど、基本的な対策を講じ、ウイルスを持ち込まないようにするしかない」と訴える。

(長田健吾、綾部庸介)

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