異例の規模、半壊家屋1000件超す 豪雨被害の大牟田市「想定上回る」

 7月の豪雨で被災した福岡県大牟田市で「半壊」と判定された家屋が千件を超えることが17日、分かった。一つの自治体の被害としては異例の規模。当初は河川氾濫の水流で半壊したような一目で分かる家屋の損傷はほぼ確認されなかったが、床上の浸水時間が長かったことなどから被害が拡大。市の調査で屋内が損壊した家屋が多い状況が判明した。大規模半壊に近い家屋も多く、修理を諦め自宅を失う被災者が相次ぐ懸念がある。

 大牟田市内は豪雨により浸水し、三川地区では大規模冠水が発生した。市は被災直後、被害把握のため床上か床下浸水かを目視で調査。河川氾濫や土砂災害が相次いだ熊本県内のように、濁流や漂流物によって全半壊した家屋は、ほぼ確認されていなかった。

 同市の浸水は、排水路や支流の水がはけずにあふれる「内水氾濫」と呼ばれ、柱や床など各部位の損壊具合を把握するのに時間を要する。被災者が公的支援を受けるための「罹災(りさい)証明書」の現地調査で、床や柱が腐食するなど損壊が目立つ家屋が多数確認された。地域によって排水ポンプの停止などで数日間、水が引かなかったことなどが損傷を大きくしたとみられる。

 市調査では、14日現在の全壊は9件、半壊は1070件、準半壊は155件、一部損壊は699件で、県内で突出。未調査分も含めると半壊件数はさらに増える見通しだ。2018年西日本豪雨での県内の半壊は230件。市税務課は「想定を上回る件数だ」と驚きを隠さない。

 半壊などの被災者の多くは仮住まいを強いられている。ホテルを利用した「みなし避難所」や公営住宅、市の借り上げ住宅の滞在者は現在、計148世帯297人に上る。

 半壊のうち大規模補修が必要な「大規模半壊」に近い調査結果が出た家屋も相当数ある。半壊以上は公費による解体・撤去制度を利用できることから、市は「修理を諦め解体する人も多いだろう」とみる。

 消防庁の7日現在の集計によると、7月豪雨による九州各県の被害は、熊本県は全壊195件、半壊388件、大分県は全壊60件、半壊174件。調査が進めばさらに増える可能性がある。

(大坪拓也)

関連記事

福岡県の天気予報

PR

PR