ガダルカナルの記憶を後世に 福岡ホニアラ会、慰霊活動の資料寄贈

西日本新聞 ふくおか版 横山 太郎

「平和教育に活用を」

 太平洋戦争の激戦地、ガダルカナル島で戦死した日本兵の遺骨収集や慰霊活動に長年取り組んだ「福岡ホニアラ会」の活動記録などの資料が、福岡県朝倉市に寄贈された。資料は会の事務局長を務め、10年前に78歳で亡くなった同市出身の上村清一郎さんが残したもので、会の関係者が引き受け先を探していた。関係者は「遺族や元会員の高齢化で資料の管理が難しくなる中、散逸する恐れがあっただけに良かった。資料を末永く活用し、次世代に継承してほしい」と願う。

 上村さんの父は、福岡県出身者を中心に編成された旧陸軍歩兵第124連隊に所属し、日米両軍が激しい戦闘を繰り広げたガダルカナル島で戦死した。上村さんは父の遺骨を探すため、島に足を運ぶようになり、1993年には連隊の遺族らと福岡ホニアラ会を結成。長年にわたり、犠牲になった旧日本兵の遺骨収集や慰霊活動を続けてきた。

 その後、会は会員の高齢化で活動を休止。上村さんは2010年に他界した。上村さんが残した段ボール6箱分の資料には、会報や活動の様子を収めた写真、同連隊や県出身者の戦没者名簿などが含まれており、元会員の築地武士さん(78)=福岡市中央区=が引き取った。

 築地さんは自治体などに保存活用を依頼したが、「個人の物は受け取れない」などと断られ続け、一度は断念。しかし「託された資料を処分するのは忍びない」と、再び引き受け先を探し、上村さんの故郷、朝倉市にたどり着いたという。資料には上村さんが遺骨収集への思いなどをこめた手記もあり、同市は上村さんの遺志をくみ取り寄贈を受けることにした。

 寄贈式は今月11日に開かれた。築地さんは「上村さんは生前、私に『幼い頃に抱きしめられた父の肌のぬくもりが忘れられない。それが父を探す原点だ』と語っていた」と述懐。資料を手に「戦争の惨禍を二度と繰り返さないため、上村さんが残した貴重な資料を市の平和教育などに活用してもらいたい」と語った。

 市は今後、ホニアラ会の活動を紹介するパネル展の開催などを検討するという。

(横山太郎)

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