【動画あり】王位戦「検分」って何するの? 駒、座布団…わずかな差に両棋士のこだわり

西日本新聞 黒田 加那

 将棋の木村一基王位(47)に、史上最年少で初タイトルを獲得した藤井聡太棋聖(18)が挑戦する「第61期王位戦7番勝負第4局」(西日本新聞社主催、伊藤園、JR九州、QTnet、王子製紙協賛)が19日に始まる。前日の18日、会場の大濠公園能楽堂(福岡市)で、対局に向けた「検分」が行われるという。いったい検分とは―。将棋に疎い記者が潜入した。

両棋士が立ち会った検分

 能楽堂に到着し、対局が行われる能舞台へ。昨年も同じ会場だったが、対局は別室だった。今年は舞台に赤いじゅうたん、さらにその上に畳が敷いてある。王位戦を能舞台で行うのは初めてのこと。これも注目の対決ならではか。

 既に将棋盤や駒台などが置かれていた。盤面に直接光が当たらないよう、照明を少しずらして反射を防いでいる。

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 しばらくして木村王位と藤井棋聖が入場。本番は明日だが、一気に緊張感が漂う。2人は動線を確認しながら、それぞれ座布団に座り、将棋盤に向かった。検分の始まりだ。

 検分とは、対局前に当日使う駒や座布団を選んだり、室温などの環境を確認したりする作業だ。

 まず、重要なのが駒。今回は書体の異なる3種類が用意された。いずれも山形市の名匠・児玉龍兒師作で、最高級とされる御蔵島(東京)のツゲの木で作られた逸品という。道具一式を提供した福岡市の江藤寿展さんに聞くと、書体のほかに、木地もそれぞれ個性があると教えてくれた。

 例えば、今回の3種類のうち「りょう」という書体の駒は、「あかまさ」と呼ばれる木目が直線であまり目立たないタイプ。「癖がなく、対局で目が疲れないと好む棋士の方もいます」と江藤さん。集中して盤面を長時間見つめる棋士にとっては、ちょっとした違いも気になるのだろう。素人の私には、ほとんど分からないが。

 両棋士は3種類の駒を盤上に広げ、何度か試し指しした。照明が反射して文字が見にくくないかなどを確かめる。「(好みは)何かありますか」と木村王位が尋ねると、藤井棋聖は数回まばたきをして「どれでもかまいません」。それを受けて木村王位は「」という書体の駒を選んだ。はっきりとしたしま模様が特徴の「とら」という木地だった。

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