夏休みの長短、なぜ?自治体で33日間の差も…背景は

西日本新聞 一面 小林 稔子

熊本市は30日、福岡市13日 最短は9日

 新型コロナウイルスの影響で臨時休校した期間を取り戻すため、軒並み短くなった公立小中学校の夏休み。北九州市などでは既に授業が始まっている。九州の各自治体を比べると、夏休みは9~42日間で、最大33日間の「差」がある。背景にはウイルスの広がり具合に加え、情報通信技術(ICT)の環境整備の違いが浮かぶ。

 感染者の確認が九州7県で最も遅かった鹿児島県。離島の西之表市や屋久島町をはじめ、15市町村の夏休みは例年通り。その一つ、伊佐市の担当者は「4月からの臨時休校は4日間だけ。1学期内に遅れを取り戻せた」。42日間の夏休みは九州最長だ。

 これに対し、臨時休校が長い地域は慌ただしい。熊本県産山村で唯一の義務教育課程の小中一貫校の夏休みは、9日間で九州最短。3~5月の計36日の休校が響き、星山晃教育長は「受験を控えた生徒にはギリギリの状況だった。今後の感染拡大、雪や台風での休校の可能性も考えると、余裕が欲しかった」と打ち明ける。

 その「中間」を行くのが福岡市。3~5月下旬の休校をカバーするため、1こまの授業時間を10分縮めて消化可能なこま数を増やし、隔週で土曜に授業を行う「人力」で遅れをほぼ取り戻した。だが「再び休校になった場合などに備えた結果」(市教育委員会学校指導課)、夏休みは13日間にとどまった。

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 一方、臨時休校が長くても、一定の夏休み期間を確保できた自治体もある。

 熊本市は福岡市と同様に5月下旬まで休校となったが、夏休みは30日間で、例年比で10日間の短縮に食い止めた。「臨時休校中にオンライン授業を実施できたのも大きかった」と熊本市教委の担当者。市内の全小中学校で一定以上の学年を対象に、インターネット環境がない家庭にタブレット端末を貸し出し、同時双方向型のオンライン授業を4月から実施したという。

 こうしたオンライン授業の時間や、アンケートで確認した家庭学習の時間も含め、不足する授業時間は「2~12日間」と判断。長期の夏休み確保につながった。市教委指導課は「コロナに限らず、インフルエンザや災害で登校ができない日が続いても、今回の経験を生かして学習を進めていきたい」としている。

 文部科学省が各自治体などに行ったアンケートによると、全国の小中学校では16日間の夏休みを確保するケースが多く、最も短いのは9日間だった。自治体からは今後の課題として、積極的なICT活用が必要との指摘が上がったという。 (小林稔子)

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