小学校での藍染め体験20年 久留米絣作家の忘れ形見、児童の誇りに 

西日本新聞 筑後版 渋田 祐一

 江戸時代に藍の栽培地だった福岡県久留米市田主丸町竹野にある竹野小で、児童の藍染め体験が20年以上続いている。今年7月18日に64歳で亡くなった久留米絣(かすり)作家の松枝哲哉さん=重要無形文化財久留米絣技術保持者会長=が、校区内に住んでいた縁で、妻小夜子さん(64)と一緒に毎年教えていた。今年は小夜子さんと長男の崇弘(たかひろ)さん(25)らが学校を訪れて指導した。

 竹野小では、久留米絣の服飾デザイナーを目指す卒業生が出るなど、地元の伝統産業が子どもたちの誇りとして根付いている。

 今月4日には、3年生20人が「藍の生葉(なまば)染め」を体験した。小夜子さんらの助言を受け、校内の畑に児童が種を植えて育てた藍の葉を摘み取ることから始めた。その後、直径30センチを超す大きなすり鉢で葉をすりつぶし液体状に。白い絹のストール(長さ130センチ、幅95センチ)を入れてもみ込み、染め上げた。

 染めたストールを水洗いして空気にさらすと、初めは緑だった色が次第に青くなった。変色の過程を目にした児童は歓声を上げ、一人一人微妙に違う色具合に染め上がったストールをうれしそうに手にしていた。

 樋口玲那(れな)さん(9)は「藍染めを通して、竹野という地域にも文化があることを知った」。細川万琳(まりん)さん(9)は「手が青くなったけど楽しかった。藍で染めることで虫よけにもなることを知った」と喜んだ。

 小夜子さんは「この体験で得た、ものづくりの感動を大切にしてほしい」と願った。

 10月からは、6年生が昔ながらの久留米絣の技法を学び、約2カ月かけて卒業記念品を完成させる。 (渋田祐一)

福岡県の天気予報

PR

福岡 アクセスランキング

PR

注目のテーマ