記録映画「もったいないキッチン」 食品ロスを問う欧州人、日本の旅

西日本新聞 吉田 昭一郎

 「食材救出人」の異名があるオーストリアの食料問題活動家、ダーヴィド・グロスさん(42)が、日本各地を旅して食品ロスの現場や廃棄食材を生かす試みを見て回るドキュメンタリー映画「もったいないキッチン」が全国公開されている。九州でも8月29日公開のKBCシネマ(福岡市)を皮切りに、各地で上映される。

 グロスさんは、以前も自ら欧州5カ国を巡り廃棄食材を使って料理を作ってみせるドキュメンタリー映画「0円キッチン」(2015年)を製作。同作の日本配給元となったユナイテッドピープル(福岡県糸島市)の関根健次代表が今作のプロデューサーを担当し、グロスさんが監督として作り上げた。

 食品ロスとはまだ食べられるのに捨てられる食品のことで、日本は年に643万トン(2016年度推計)に上り世界最多レベルだという。

 グロスさんが訪ねるのは、多くの食品ロスを出すコンビニエンスストアや、廃棄食品を養豚飼料に加工するリサイクル工場の関係者のほか、食材を無駄なく使う精進料理を作るお寺の住職、野草料理家ら。

 生ごみコンポストで堆肥を作り野菜を栽培する福岡市東区のグループも訪ね、各家庭の冷蔵庫の食べ残し食材を出し合ってもらい調理を試みる。

 「命をいただく」など、食べ物に畏敬の思いを寄せる日本の伝統的な食文化に関心があったというグロスさんは、日本各地の訪問先で驚いたり、感心したり、問題意識を膨らませたりする。そうした数々の場面を通し、日本が食品ロス大国から脱却する道はどこにあるのか、大量生産・大量流通・大量消費という食のあり方をどう見直すことができるのか、あらためて考えさせられる。(吉田昭一郎)

福岡県の天気予報

PR

福岡 アクセスランキング

PR

注目のテーマ