漁場の「磯焼け」対策で連携 長崎県と壱岐市、5漁協が協定

西日本新聞 長崎・佐世保版 田中 辰也

 長崎県内の漁場で海藻の群落(藻場=もば)が減る「磯焼け」が深刻化する中、壱岐市内の5漁協と市、県が連携して対策に乗り出す。海藻の胞子を出す母藻を漁協間で供給し合うネットワークを構築し、壱岐海域全体の藻場回復を目指す。島ぐるみの磯焼け対策は県内でも珍しい取り組み。

 7日に壱岐の島ホールで県、市、5漁協の代表がネットワーク構築へ向けた連携協定を結んだ。

 ネットワークでは母藻の融通のほか、藻場にコンクリートブロックや岩を設置して胞子を付着させた後、各漁協の海域に運搬。イスズミなどの魚などからの食害を防ぐため、仕切り網や防護かごに入れて育てる。県壱岐水産業普及指導センターもそれぞれの海域に適した藻場造成方法などをアドバイスする。

 壱岐海域ではアラメやカジメなどの海藻が食害で減る磯焼けが進行。海水温の上昇で弱ったアラメなどが高波で流失するケースもある。このため海藻を餌にしているアワビなどの漁獲量が減少したり、ウニの身入りが悪化したりしている。

 白川博一市長は「ネットワークの構築は磯焼けの対策に大きな一助になる。藻場回復によって漁村を活性化し、地域振興につなげたい」と話した。

海水温上昇に警戒

 磯焼けは県内各地で漁業に影響を及ぼしている。県漁港漁場課によると、県海域の磯焼けは1980年代から五島や対馬などでみられていたが、98年以降は各地で確認されるようになった。県が2014年に調査した県海域の藻場面積は8161ヘクタールで、25年前に比べ4割減ったという。

 懸念されるのが今夏の猛暑の影響だ。気象庁によると、8月16~19日まで4日連続で壱岐沿岸海域の海水温は29度を超えており、担当者は「このまま高温が続くと海藻がダメージを受けて一気に磯焼けが進む可能性もある」と警戒する。

(田中辰也)

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