「めんたいこ食べたいですね」 鉄道も好きな藤井新王位の素顔は

西日本新聞 総合面 小川 祥平

 「二冠の実感はないですが、そういう立場になっていい将棋を見せられるように頑張っていきたい」

 19、20日に福岡市であった第61期王位戦7番勝負第4局で、藤井聡太新王位(18)は木村一基前王位(47)をストレートで破ってタイトルを奪取した。棋聖に続く二冠と八段昇段は史上最年少。偉大な記録にも淡々と答えるさまは貫禄すら漂っていた。

 本対局は、最年長で初タイトルを獲得した木村前王位に挑む「年の差対決」として注目された。ただ「年齢に関係なく楽しめるのが将棋の良いところ」といつもの自然体は変わらなかった。

 受けを身上とする相手を苦しめたのは、異次元の強さといわれる終盤力だ。流れを決定づけたのは第2局。序盤、中盤にリードを許したが終盤に逆転した。

 「厳しい形勢が続いたので、そこを勝てたのは結果的に大きかった」。緊迫した戦いが続いた第4局でも終盤までミスなく攻め抜いた。

 師匠の杉本昌隆八段(51)によると、昔から大の負けず嫌い。小学生の頃は負けて将棋盤を抱えるようにして泣いたこともあった。「タイトルとかの欲はないけれど、負けるのがとにかく嫌」(杉本八段)。それが強さの理由でもある。

 鉄道好きで、地元の名物も食べられる地方対局は盤外での楽しみがある。昨年の福岡での公式戦では、博多駅に列車を見に行った。今回はコロナ禍で自由に動けなかったが、来年は挑戦者を迎える立場で各地を回る。「今度はめんたいこを食べたいですね。本場ですから」。ようやく高校生の顔に戻った。

 (小川祥平)

PR

社会 アクセスランキング

PR

注目のテーマ