野党勢力の合流 1強政治に対抗できるか

西日本新聞 オピニオン面

 「大きな塊」を目指す野党第1党と第2党の合流協議は一応の目的達成と同時に第2党の事実上分裂を招いてしまった。合流新党は勢力を拡大するが、有権者の期待感が膨らむ野党再編とは言い難い。国会論戦など実践の場を通じて理念と政策を鍛え上げていくべきだ。

 国民民主党は両院議員総会を開き、立憲民主党と合流して新党を結成する方針を了承した。立民は既に合流方針を決めており、両党を軸とする新党は無所属議員も含めて衆参で140人を超す規模になるという。

 議会制民主主義が健全に機能するためには強い野党の存在が欠かせない。衆参両院で圧倒的な多数を占める巨大与党と四分五裂した野党という「1強多弱」の政治状況を突き崩す契機となれば合流の意義は大きい。

 ただ有権者にとっては、分かりにくい経過だったと言わざるを得ない。元をたどれば、旧民主党-民進党から枝分かれした両党である。立民の枝野幸男代表が国民側に吸収合併を呼び掛けた合流協議は今年1月に破綻していた。今回は両党がいったん解党して対等合併する方式に立民が譲歩していた。

 ところが、国民の玉木雄一郎代表は理念と政策に加えて、新党の党名やその決め方にこだわり、協議は難航する。両党幹事長らが綱領案や代表・党名選挙の規定案で合意したにもかかわらず、玉木氏は合流賛成派と反対派で党を分割する「分党」方針を唐突に表明していた。

 結局、両院議員総会では党を解党して合流する方針を賛成多数で決め、合流しない議員については政党助成法に基づき党を解散した後に分党の手続きをする方向で調整するという。

 新党は来月中の結成を目指すが、玉木氏は新党に参加しない意向を改めて表明した。玉木氏に同調する議員は少数派とされるが、政党同士の対等合併が実現するのに片方の党首が不参加とは違和感を禁じ得ない。

 玉木氏らは新党の綱領案に立民が主張する「原発ゼロ」が盛り込まれる一方、国民が唱える「改革中道」などの文言がないことに不満を募らせたという。円満な解決方法は本当にあり得なかったのだろうか。

 共同通信社の世論調査(7月17~19日実施)によれば、政党支持率は立民が6・3%、国民は1・5%にすぎない。政権を担った旧民主党から今回の合流協議に至る流れをじっと見つめてきた有権者の視線は厳しいと覚悟すべきだろう。

 その上で、新たな野党第1党が憲政史上最長の長期政権が続く政界に緊張感をもたらし、具体的で現実的な政権交代の道筋を描けるか、注目したい。

PR

社説 アクセスランキング

PR

注目のテーマ