福岡発“乳歯”ソング「みんなのうた」に 平山カンタロウがデビュー

西日本新聞 木村 貴之

子どもの成長見守る物語、表情豊かな歌声で

 福岡を拠点に活動するシンガー・ソングライター、平山カンタロウがメジャーデビューした。デビュー曲は、幼児期の歯の生え替わりが題材というユニークな歌「キミと歯のうた」。NHK「みんなのうた」の8、9月放送曲に採用されている。2011年に演奏活動を始めて9年。33歳でつかんだ大きな夢は、歌づくりを巡って自問自答した福岡での経験が生きている。

 「食べることが好きな君は あんまりよく噛(か)まないから とっても心配だよ 僕たちをもっと使ってよ」

 「20本のうちの1本が 君の口から飛び出した びっくりして泣いたよね ほんのちょっと大人になってく」

 描くのは、乳歯から永久歯に生え替わる子どもたちの成長を乳歯自体が見守る物語。これを軽快なリズム、シンプルながらドラマチックな展開の旋律に乗せ、表情豊かな歌声でつづる。「みんなのうた」で繰り広げられるアニメーションは映像制作会社「白組」(東京)のクリエーター、坂井真さんが担当。擬人化された乳歯や永久歯が登場する場面は笑みを誘い、愛情あふれる歌物語を視覚で盛り上げる。

 平山は長崎市出身。北九州市立大卒業後の11年、ソロユニット「図鑑」として活動を始めた。恋愛、平和、挑戦…といった幅広いテーマの詞に、吸収した洋楽のテイストも取り入れたメロディーを絡め、オリジナル曲を次々に創作。インディーズ時代にアルバム5枚を発表したほか、福岡県飲酒運転撲滅キャンペーンや民放番組のテーマソングなども次々に手掛け、県内外でライブ演奏も精力的にこなした。

金髪と眉毛“全そり”で熱演

 ユニットは13年からバンド形式に転換したが、18年にはアコースティックギター弾き語りのスタイルへ。原点回帰に合わせたように演劇の世界にも挑み、福岡ゆかりのロックバンド「シーナ&ロケッツ」を題材にした「You May Dream(ユー・メイ・ドリーム)」(18年)などNHK福岡発地域ドラマ3本に出演。「ユー・メイ~」ではシナ&ロケの前身バンド「サンハウス」のボーカル柴山俊之役を金髪と眉毛“全そり”で熱演し、注目を集めた。

 「ソロの弾き語りと違って、ドラマ制作はチーム作業。演出などを制作陣に委ねるうち、表現の客観的な形が見えてくる。インディーズ時代に悩んだのは、歌をどう作れば多くの人に届くか。何となく、その答えが見つかった気がした」

 そうした時間を経て創作したデビュー曲。「子どもの成長を最後まで見守れないのは乳歯の運命。その切なさを表現できれば、きっと多くの人に届くはず」。「みんなのうた」といえば「山口さんちのツトム君」(76年)や「ビューティフル・ネーム」(79年)など大ヒット曲も生み出してきた長寿番組。若きシンガー・ソングライターは思う。「多くの人にどう親しんでもらえるか、楽しみ」 (木村貴之)

   ◇   ◇

 ◆「キミと歯のうた」 ドリーミュージック(東京)から8月5日にデジタル配信スタート、12日にシングルCDリリース(1200円)。同時収録曲は「ドント・ウォーリー・ビー・ハッピー」。

福岡県の天気予報

PR

福岡 アクセスランキング

PR

注目のテーマ