風俗勧誘リーダー逮捕 職安法違反容疑 数百人紹介か 博多署 (2ページ目)

西日本新聞 社会面 古川 大二

「ナンパが仕事」女性手玉 コロナ禍で収入減 強引なスカウトも

 九州最大の歓楽街・中洲がある福岡市では、女性を夜の街の仕事に誘うスカウトが暗躍してきた。自力で女性従業員を確保するのが難しい店側と、多額の「紹介料」を得られるスカウトは互いに持ちつ持たれつの関係にあるが、女性を風俗業に紹介するのは違法な行為。新型コロナウイルス感染拡大の波にさらされ、夜の街は静か。スカウトの収入も減少し、強引な声掛けが目立つようになったことが、警察の取り締まり強化につながった。

 「最初は100人に声を掛けても、何とか1人に話を聞いてもらえるくらいだった。でも、どんな子ならうまくいくのか分かってきた。ナンパが仕事ですよ」。約5年前から活動するスカウトの男性は明かす。

 キャバクラ、ソープランド、デリバリーヘルス(派遣型風俗店)…。紹介する仕事は多岐にわたる。男性は「どれぐらい稼ぎたいか、女性からしっかり話を聞いて店を紹介する。店と交渉し待遇を良くしてもらい、スカウトを通すメリットも示さないといけない」。

 収入は女性を紹介した店から支払われる「スカウトバック」だ。「キャバクラなら女性の売上額の10%、風俗店なら15~20%が相場。女の子が働いている限りずっと受け取れる」。多いときは約30人の女性を抱え、月の収入は100万円を超えた。

 女性が辞めないよう、店に紹介した後も頻繁に連絡を取る。捜査関係者は「女性は家族や友人にも言わずに働いている。親身なふりをして、スカウトにしか困り事を相談できない環境をつくっている」と苦り切る。

 中洲の風俗業界に詳しい男性によると、店側の求人だけでは女性は集まらないことから、多くの店がスカウトを利用しているという。しかし、合法な風俗店であっても女性をあっせんすれば、職業安定法違反(有害業務の紹介)に当たる。店側も罪に問われるケースがある上にスカウトバックの負担も大きいが、「働き手がいないのが何より困る。スカウトに頼らざるを得ない」と内情を説明する。

 こうした状況は、新型コロナの感染拡大で一変した。夜の街への客足が激減し、「紹介した女の子の3割ぐらいが店を辞めて昼の仕事に移った」(スカウトの男性)。スカウトの収入も減り、「初対面の女性にいきなり風俗店を紹介したり、手当たり次第に声を掛けたりする乱暴な連中が出てきた」(同)という。

 福岡県警博多署によると、今年1~6月、スカウトに関する通報や相談は35件。緊急事態宣言が解除された5月中旬以降に目立つようになった。署は摘発を進めるとともに、今月7日、博多駅前でJR九州などと協力してパトロールし、スカウト撲滅を訴えた。

 中洲の風俗店関係者は言う。「『博多署がスカウトをつぶす』といううわさが広まり、街からスカウトが姿を消した」 (古川大二)

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