被災者実名「知事判断で公表」 知事会統一指針提言へ

西日本新聞 郷 達也

 全国知事会の危機管理・防災特別委員会は21日、災害時の死者、安否不明者の実名公表について、知事会が標準的なガイドライン(指針)をつくる方針を確認した。知事の判断で実名を公表できるなど、災害対策基本法に地方の権限を明示するよう国に求めていくことでも一致。11月をめどに知事会の提言として取りまとめる。

 災害時の実名公表は国による統一基準が存在せず、自治体によって対応が分かれている。知事会は昨年、国に対し統一基準の作成を要望していた。

 この日の特別委では、熊本県の蒲島郁夫知事が7月の豪雨災害の対応を報告。亡くなった65人について、遺族の同意を得て実名を公表した際に「時間がかかり、報道機関から『遺族の同意がなくても公表すべきだ』などの意見があった」と述べた。その上で「被災した場所で異なる取り扱いにならないよう、全国統一的な公表基準を作成することが望ましい」とした。

 佐賀県の山口祥義知事は「不明者や死亡者をすぐに公表して皆の力で照合し、助けに行くことが大事。現場の状況を一番分かっている自治体が、災害の実態を踏まえて判断するのが基本だ」と強調した。

 遺族の意向などにかかわらず速やかに実名を公表する神奈川県をはじめ、独自の公表基準やルールを策定済みの県もある。特別委の委員長を務める黒岩祐治神奈川県知事は「災害時に知事が迷わないようにする。ガイドラインや対応事例をつくり、各県の実情に応じて知事が公表できる形にしていきたい」と話した。 (郷達也)

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