「親のため」同性愛、苦渋の偽装結婚 偏見根強い中国 海外で代理出産も  (2ページ目)

「告白」5%止まり 8割が異性と結婚 北京同志中心主任・辛穎さん

 中国の同性愛者が抱える問題について、LGBTなど性的少数者の支援活動に取り組む「北京同志中心」主任の辛穎さん(34)に聞いた。 (聞き手は川原田健雄)

 -中国でも性的少数者の権利運動が展開されてきたが、なお偏見が根強い。

 「1995年に北京で国連世界女性会議が開かれ、多くの中国人が国際的な人権重視の流れに触れたことで、LGBT運動が本格化した。今はLGBTの人々や親を支援する団体がいくつも活動している。ただ、中国社会は多様性の教育が不十分で、親や同僚が性的少数者に好意的とは限らない。国連機関などによる2016年の調査によると、中国で同性愛などを周囲にカミングアウトした人は5%にとどまる。特に地方では性的少数者同士が出会って互いを認め合う機会は限られ、葛藤を抱える人は少なくない」

 -異性と結婚する同性愛者が多い。

 「16年の調査では、同性愛者などの8割が異性と結婚していた。地方都市では、親を納得させるため同性愛を隠して異性と結婚したり、同性愛者同士で形式結婚したりする事例が比較的多い。差別や偏見がある以上、仕方ないという意見もあるが、こうした結婚は他人をだます行為であり、私たちは支持しない。近年は結婚しない若者が増えており、親にせかされて、やむを得ず異性と結婚する同性愛者も減っていくと思う」

 -中国で同性婚が法制化される可能性はあるか。

 「中国政府も“最後に実現した国”とは言われたくないに違いない。アジア各国で法制化が進めば事態は進展すると思う。ただ、既に同性婚を法制化した台湾や、香港との関係が複雑で導入には時間がかかる。10年で実現できると楽観的に言える状況ではない。政策を決定・執行する人たちは年齢が高く、この問題には不理解だ。影響を及ぼすためにはあらゆる業種や階層への働き掛けが必要だ」

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