流木食い止め越水防止 豪雨被災の川に鋼鉄スリット 来春完了

西日本新聞 大分・日田玖珠版 笠原 和香子

 2017年の九州豪雨で甚大な被害を受けた大分県日田市小野地区の小野川で、鋼鉄製の柵「スリット」の設置工事が進んでいる。大雨による増水時に流木や巨岩を引っ掛けて食い止め、水や小さな土砂は流れるようにして越水を防ぐ取り組み。県によると九州では2例目で、工事完了は来年3月。

 県日田土木事務所は2017年から約2・6キロ区間を対象に災害関連事業に着手。河川の拡幅や橋の架け替えなどを進めている。事業費は16億円。

 中でも、最も大きな工事はスリットの設置。小野川では当時、橋桁や橋脚が流木などをせき止めて氾濫し、周辺住宅などが浸水被害を受けた。川の上流では山崩れの危険性がある林が確認され、今後の豪雨で再び多くの木が川に流れることが懸念されるため、県はスリットの設置を決めた。

 設置場所は小野振興センター近くの小野川。高さ3~7メートルの鋼鉄製のスリット34基をくし状に組み合わせて、川の中で上流から下流に72メートル、横24メートルのL字形に据え付ける。

 同事務所によると、スリットは砂防ダムへの設置が一般的。河川に作られるのは全国では6例目で、九州では1994年度にできた熊本県の黒川に続く2例目という。

 スリット工事は今年3月から護岸整備や川底の掘削作業が始まり、地元の河津建設と川浪組による共同企業体(JV)が工事を担当している。現場技術者の高倉憲彦さん(60)と森山浩樹さん(43)は「数ミリ単位まで気を配り、見栄えのいい施設にしたい。安心して生活してもらえるよう早期完成を目指す」と話した。 (笠原和香子)

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