幽霊姿で「うらめしや」師から引き継いだ「早変わり怪談噺」

西日本新聞 総合面 宮原 勝彦

 落語の怪談噺(ばなし)の最中、座布団を立って客の前から姿を消すや、すぐに“幽霊”に変装し、暗くなった高座に現れて「うらめしや-」。師匠・露の五郎兵衛(2009年死去)から「早変わり怪談噺」の約10演目を引き継ぎ、大阪、東京の会で毎夏披露している。夏の風物詩の怪談だが、「噺で早変わりを演出する落語家は珍しい」(大阪の寄席・天満天神繁昌亭)という。

 「怪談噺は、身勝手な悪行に対して幽霊が報いをする物語。悪は栄えないと伝える噺としての魅力はあるんですが、需要は主に夏場だけ。裏方も5人は必要。『早変わり』は、照明の細かな決まり事などもあります」と語る。

 福岡県芦屋町出身。高校卒業後、食品会社に勤めていたが、落語家になる夢が捨てられずに1977年に五郎兵衛に入門した。当初は「九州なまり」を理由に稽古をしてもらえず、怪談噺の手伝いに指名された。裏方として着替えを手伝ううちに、“早変わりの術”を覚えた。インターネット上で師匠譲りの芸を公開するなどPRにも力を入れる。最近、東京の落語家が継承を申し出た。快く伝授した。

 「大阪でも後継を探してます。一門の若手に目を付けていますが、果たして引き継ぎますか…。古くからあるこの芸、絶やすわけにはいきません」

 福岡ゆかりの後輩に呼びかけて08年に結成した「上方落語福岡県人隊」でも活動し、今年8月には11年連続の里帰り公演を終えた。本名、植山真吾。兵庫県西宮市で妻、会社員と大学生の娘2人との4人暮らし。65歳。 (宮原勝彦)

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