GSOMIA延長、なお火種 韓国「いつでも終了」今後も外交カードに

 【ソウル池田郷】日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA=ジーソミア)が25日午前0時に協定破棄を通告する期限を迎える。昨年いったん破棄を通告しながら、結局協定を維持した韓国側に通告の動きはなく、11月に自動延長される見通し。ただ、日本の対韓輸出管理強化に反発する韓国は「通告期限に縛られず、いつでも終了できる」と主張しており、今後も「外交カード」として協定破棄をちらつかせていく構えだ。

 「日本に一日も早く輸出規制を元に戻すよう引き続き求める。GSOMIAについては現状を我慢しながら維持している」。韓国外務省の担当者は20日、文在寅(ムンジェイン)政権の立場を強調した。

 協定は保守系の朴槿恵(パククネ)政権時の2016年11月、軍事上の機密情報を提供し合う際に第三国への漏えいを防ぐため結ばれた。効力は1年で、毎年11月に迎える満了日の90日前までに破棄を通告しなければ、自動延長する運用を続けてきた。

 韓国は昨年破棄を通告したものの、米国の反発を受け、失効直前に通告の効力を停止して協定を維持した。だが、通告自体は撤回していないという解釈で、停止を解けばいつでも協定を終了できるとする。韓国外務省は「1年ごとに延長するという概念は現在適用されていない」と主張。当面は協定を維持しつつ、輸出管理強化措置の撤回に応じない日本に対し、いつでも切れる外交カードとして温存する腹積もりだ。

 協定を軽視するような振る舞いは、文氏を支える青瓦台(大統領官邸)中枢の政治理念が反映しているようだ。多くは1980年代の民主化運動に参加した世代。民族主義色が強く、北朝鮮との関係進展や自主国防推進などを持論とする。

 実際、文政権は国防費の増額に積極的で、日米の軍事機密への依存度を下げるため、新たな軍事用偵察衛星などを導入する計画だ。朝鮮半島有事を想定した戦時作戦統制権(指揮権)の米軍から韓国軍への移管を急ぐのも、革新系の理念に基づく。

 一方で韓国の国防当局は一貫して、協定の重要性を主張している。北朝鮮の弾道ミサイル技術が高度化する中、安保協力体制が弱まれば北東アジア情勢を不安定化させかねないからだ。韓国が再び破棄通告のカードを切れば、在韓米軍の駐留経費交渉が難航する米国との関係悪化も必至。日本外交筋は「韓国もまた地雷を踏むようなことはしないだろう」と話す。

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