C型肝炎疑い、4割未告知 追跡調査の人手不足 救済期限切れも

西日本新聞 社会面 久 知邦

 汚染された血液製剤を投与されC型肝炎に感染した疑いのある2万3339人の4割が、投与の事実を告知されないままだ。症状がゆっくり進行するため感染に気付いていない人も多いとされ、早期発見が求められるが、調査する病院の人手不足で作業が進んでいない現状がある。新型コロナウイルスへの対応で今後も停滞が予想され、法律が定める救済期限に間に合わない恐れがある。

 2008年に成立した薬害肝炎救済法は、1994年以前に手術や出産の止血のために血液製剤フィブリノゲンなどを投与され、C型肝炎に感染した人の救済が目的。給付金を受けるには患者が提訴し国と和解する手続きが必要で、当時のカルテなどで投与事実を証明する必要がある。

 厚生労働省によると、フィブリノゲンが納入された医療機関のカルテから判明したC型肝炎の感染疑いがある人のうち、未告知者は9574人(20年6月時点)。約半数がカルテ上の居住地から転居し、連絡が取れなくなっている。同省は住民票調査などを行うよう求めているが、病院側にはこうした調査が容易ではなく、人手不足もあって停滞しているという。

 救済法の期限は23年1月。提訴までの期間を踏まえ、国は22年1月までに投与された人を特定し、告知を終えることを目標にする。ただ、カルテ調査に着手していない病院は16施設、確認作業中も27施設ある。大病院が多く、未告知者が大幅に増える可能性が高い。

 薬害によるC型肝炎感染者は推計1万人とされるが、国と和解したのは7月末時点で2417人にとどまる。薬害肝炎全国弁護団の高井章光弁護士は「病院任せにしていてはとても救済期限に間に合わない。命に関わる問題で、早期発見、早期治療につなげる必要があり、国が関与して作業を進めるなど抜本的な対策が必要だ」と訴える。

 加藤勝信厚労相は18日の原告団との協議で「期限は限られているが、コロナで各病院はてんてこまい。そういうことも踏まえてどうするか考えていかないといけない」と述べた。 (久知邦)

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