「とても元気には見えない」安倍首相、在職単独1位も健康不安が影

西日本新聞 総合面

 安倍晋三首相の連続在職日数が24日、歴代単独1位となったが、2週連続の病院受診により健康不安説はより強まっている。新型コロナウイルス対策に追われる中、安全保障を巡る政府の議論など職務への影響も既に出ており「十分に指揮が執れるのか」との懸念が政府、与党内に渦巻く。首相の体調に配慮するかのように、9月にも想定される内閣改造・自民党役員人事の延期論も浮上している。

 「体調管理に万全を期してこれからまた仕事を頑張りたい」。4時間近い検査を終えた首相は官邸に戻り、追加の検査について説明した。側近も口々に平静を装うが、額面通りに受け取る雰囲気は乏しい。19日の記者対応時と比べて声量は戻ったように見えるが、「とても元気には見えない」(自民党中堅)。

 この日、首相はコロナ対策の報告を受けるなど公務をこなし、午後7時前に帰宅した。3日間の夏休みを終えて公務に復帰した19日以降、平日の午後出勤は4日連続だ。

 関係者によると、17日の受診を巡っても、官邸と病院は1泊2日の日程を検討したものの、首相の強い希望で日帰りになった。24日も、周囲は病院を終えたら静養するよう勧めたという。「首相は第1次政権を自身の持病で投げ出した悔しさから、体調のことで騒がれることに敏感になっている」。政府関係者は指摘する。

 ただ、トップの健康不安は既に影響が出始めている。首相は6月18日の記者会見で、安全保障政策の新しい方向性を今夏、国家安全保障会議(NSC)で「徹底的に議論する」と表明したが、実際にNSC閣僚会合が開かれたのは今月はまだ1回だけ。自民党総裁としての党務も、25日の党役員会が中止になった。

 党総裁連続4選を否定し、来年9月末に任期を迎える首相にとって「最後の人事」への影響を指摘する声も上がっている。

 9月末が任期の党役員人事と、内閣改造は、中旬以降にずれ込む可能性もある。岸田文雄政調会長は24日の記者会見で「(規約上)時期の前後はいかようにも対応できる」と述べ、首相の体調に配慮を見せた。自民党の閣僚経験者は「体調次第では、先延ばししてもおかしくない」と指摘する。

 首相の体調が万全でないことは、危機対応などでの国民の不安に直結する。首相は記者団に「(検査内容や結果に関し)また話をさせていただきたい」と述べるにとどめた。関係者によると、首相が記者会見を検討しているとの話もあり、党内からは「健康不安払拭(ふっしょく)のために首相が自ら説明したいのでは」との声もある。 (東京支社取材班)

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