福岡県飯塚市の明観寺の名誉住職坂本法観さんは92歳…

西日本新聞 社会面 中川 次郎

 福岡県飯塚市の明観寺の名誉住職坂本法観さんは92歳。元気で酒をたしなみ、カラオケや卓球など趣味が多彩。飯塚美術協会名誉会長も務め、敷地内のアトリエにはぼた山や富士山などの油絵が並ぶ。

 目立つのが、終戦後の満州(現中国東北部)からの引き揚げで駅に向かう母子の絵。暗い色彩で、決死の表情で歩く母親に子どもがしがみつく。引き揚げ者である坂本さんが記憶を呼び起こした。

 当時17歳。極寒の収容所は不衛生で食事もろくにない。痩せ細り病気になった人があっけなく亡くなったという。「地獄」と振り返るが、「当時の満州を知ってほしい」と13年前に描いた。戦後75年。「今は元気だが、いつかは死ぬ。他の絵ともども記録に残したい」と、現在作成中の自らの画集に収める予定だ。

 「毎日を楽しく過ごせるのは平和だから。平和が何よりも重要。戦争は繰り返したらいけない」。心からの言葉を胸に刻んだ。 (中川次郎)

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