防災教育まず先生から 「子ども守る」実践的内容 飯塚市職員が講師

西日本新聞 筑豊版 中川 次郎

 カリキュラム試行導入

 災害から子どもたちを守るため福岡県飯塚市は本年度、小中学校で防災教育カリキュラムを試行導入している。教職員へ災害、防災に関する教育を行うことが特徴。教育を受けた教職員が、子どもたちに風水害や地震に対する基礎知識を教え、危険を判断する力や危機回避のための行動力を身に着けることができるような授業を行う。来年度以降、本格導入するという。

 「環境の変化で想定外の災害が起こる可能性が高い。子どもたちの『生きる力』を育むために、実際の災害に即した防災教育や訓練が求められている」。24日午後、同市立二瀬中で開かれた研修で、同市の吉田英紀防災危機管理監が教職員約25人にこう訴えた。

 吉田氏は風水害をテーマに、線状降水帯の起きる条件や、海面水温と豪雨の関係など気象のメカニズムを説明。避難に関して「危険な地域から安全な場所に行くことを意味する。何があっても避難所に行くことではない。大人の指示で子どもの命を危うくすることもある」と強調した。

 同市は2015年以降、小学4年生以上を対象に、全ての小中学校で避難訓練を含む防災教育を実施したが、「先生の合図後に机に隠れて」「この通路を通って、体育館に避難を」など児童や生徒は教職員の指示で動いていた。実際に大きな災害を経験した教職員は少なく、従来のやり方を踏襲する形にとどまっていた。

 同市は「従来の防災教育や避難訓練では、災害が起きた場合、児童、生徒の被害を防ぐことは難しい」と、実際の災害に対応できるようなカリキュラムの作成に取り組んだ。

 カリキュラムは風水害と地震の2種類。新型コロナウイルス感染拡大の影響で実施が遅れたが、各学校では7月以降、吉田氏を講師に、教職員対象の研修を行っている。

 その後、児童や生徒に対する風水害や地震を教える授業▽地域住民の協力を得て通学路を歩くことによる危険性の把握▽学んだことを生かした避難訓練-に取り組む。単年度で終わるのが理想だが、コロナ禍など教育時間の制限を踏まえ、複数年の教育、訓練ができる構成となっている。

 小学3年生以下に対しては、災害や防災について学んだ教職員が、各種災害リスクから身を守るための方法や指示に基づく行動について、分かりやすく教えるという。 (中川次郎)

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