西日本最大級のバラ園が苦境 「はな阿蘇美」管理会社が経営難で撤退

西日本新聞 熊本版 佐藤 倫之

 新型コロナウイルス禍の観光客減少などに伴い、熊本県阿蘇市の観光施設「はな阿蘇美」が苦境に陥っている。西日本最大級のバラ園があるが、市の指定管理者として運営していた木之内農園(南阿蘇村)が「経営難」を理由に契約解除を申し出、10月末で運営から撤退することが決まった。今後はバラ園を保有する市が運営し、新たな指定管理者を公募するが、先行きは見通せず、ファンをやきもきさせている。

 内牧温泉街近くにある施設は1999年に開園。ドーム形の温室と庭園で、750品種4500株のバラが栽培されている。毎年春と秋には「バラ祭り」があり、熊本地震前の2015年度は43万人が来場した。

 しかし地震後、来場者が激減し、17年度は指定管理者が不在に。そんな中、同農園が公募に名乗りを挙げ、18年度から運営に着手。19年度は約7万5千人を集客したが、福岡、熊本両県でコロナ感染者が相次いだ今年2月以降、来場者が再び激減し、運営が厳しくなったという。

 村上進社長は「200台収容の駐車場があり、バスツアーが集客の柱になっていたが、旅行業者から『ツアー再開は11月ごろまで見込めない』と言われ、打つ手がなくなった」という。

 2000年から栽培管理に当たってきた菊池登喜代さん(67)はショックを隠せない。世界各国のバラに精通し、気さくな人柄も人気を集めていた。肥料や水やり、枝の剪定、摘花など、こまめな手入れを続けてきただけに「20年がかりで育ててきた、子どもたちのようなものですからね」。

 施設のレストランは既に休業し、物産館の営業も今月末で終了。バラ園の管理は続けられ、開花を迎える10月には有料で公開される予定。市には複数業者から問い合わせはあるものの、11月以降の運営態勢の詳細は固まっていないという。

(佐藤倫之)

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