AI活用授業の塾や予備校、コロナ影響で増加 理解度に応じて問題選択

西日本新聞 四宮 淳平

 新型コロナウイルスの影響による一斉休校でオンライン学習が広がる中、授業に人工知能(AI)を活用する塾や予備校が増えている。AIは生徒の理解度に応じて問題や解説動画をパソコン画面に表示、課題をクリアすると次の段階に進むことができる。塾側は教えることに加え、やる気を引き出す役割の比重も増している。

 「英単語を並べ替え、日本語に合う英文を作りなさい」

 福岡市の中学2年中原桜良さんは、自宅でパソコンに向かっていた。画面に表示されているのは英語の問題。数問に回答すると、正答率に応じた難易度の問題や解説動画が現れた。

 インターネットを通じて見守るのは、学習塾「1対1ネッツ」の講師。パソコン画面で進捗(しんちょく)状況を確認しながら電話でアドバイスする。中原さんは「学校と違って、自分のペースでできるのがいい」と話した。

 システムを開発したのは「atama plus」(東京)。英語、数学、物理、化学、理科に対応し、英進館や北九州予備校など全国の1900教室が導入している。利用者数は2月末から約2カ月間で10倍以上に増えたという。

 講師1人が同時に10~20人を担当する塾もあり、順番に電話で指導する。同社の担当者は「授業に出席しただけで学んだとみなすのではなく、実際に理解したことを積み上げることができる。一緒に目標を立て、励ましてくれる講師が必要なので家庭とは直接契約していない」と説明する。

 河合塾は独自にAI学習システムを開発し、昨年12月に導入した。英語、数学、化学、物理、古文を都合のよい時間に何度でも学習できる。校舎が近くになかったり、部活動で忙しかったりする千人近くが利用している。学習計画や進路の悩み相談には、志望大学の学生がオンラインのチャット機能で応じている。

 システムを販売する河合塾のグループ会社の畑秀史取締役は、コロナ収束後もAIを活用したオンライン学習は拡大するとみている。「集団学習が合わない生徒も一定数はいる。学習データを蓄積し、新たな指導法のヒントにしたい」と話した。 (編集委員・四宮淳平)

 人工知能(AI) 人間の脳のように物事を学習したり、膨大なデータから推論して判断を下したりすることができるコンピュータープログラム。「ディープラーニング(深層学習)」と呼ばれる手法で大量のデータを学習して傾向や対応方法を見いだす。自動運転や医療、金融まで応用範囲が拡大している。

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