厄介ハエ、九州で続々 86年に“根絶”も…「これほど広範囲はない」

西日本新聞 社会面 片岡 寛

 果物や野菜に卵を産み付けて繁殖する東南アジア由来の害虫、ミカンコミバエが今年、鹿児島県を中心に九州各地で確認されている。2015年に奄美大島で大量確認されて以来の規模とみられ、九州の植物検疫を担う農林水産省門司植物防疫所も警戒を強める。

 ミカンコミバエは体長7ミリほどの小バエの一種で、東南アジアや中国南部、台湾に広く生息。ふ化した幼虫が果物などの中身を食い荒らし、収穫できなくなる被害がある。国内では1919年に沖縄で初めて確認された。86年に「根絶」。その後も毎年のように飛来しているが、「定着」には至っていない。

 正確な飛来経路は不明。6~7月に日本付近に停滞する梅雨前線に向かって、南方から流れ込む気流に乗って飛んでくるとみられる。同様に台風との関係も指摘される。今年の確認数が多いのは、前線が長期間とどまる「長梅雨」の影響がある、と関係者はみる。

 鹿児島県によると、8月24日現在、18市町村で89匹を確認。雌のにおいで雄をおびき寄せる調査用のわなを約400カ所に設置しており、確認した場合は半径1キロ圏内に殺虫剤を染み込ませた「誘殺板」を設けるなど対策を施している。九州ではこのほか熊本県6匹、福岡県3匹、長崎、宮崎両県で1匹ずつを確認した。

 15年に大量に確認された奄美大島では、植物防疫法に基づき島外出荷が7カ月間制限され、特産のタンカンやポンカンなど約1800トンを廃棄処分。農家への補償額は5億6600万円に及んだ。門司植物防疫所の中川智秀統括植物検疫官は「九州でこれほど広範囲に見つかったことはなく、警戒している。今後も早期発見と防除の準備を怠らないことが重要だ」と話している。 (片岡寛)

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