生活困窮者に障害者事業所の品 小郡市が“一挙両得”の新事業

西日本新聞 筑後版 内田 完爾

 福岡県小郡市は、新型コロナウイルスの影響で所得が急減した世帯に、地元農家が作った米や障害者就労事業所で育てた野菜などの食材セットを提供する「まごころパックお届け事業」に取り組んでいる。生活困窮者の食卓を助けるだけでなく、受注が減っていた事業所の支援や障害者の働く機会の確保にも一役買う、県内でも珍しい取り組み。6月の開始以降、約200世帯に届けられた。

 就労継続支援B型事業所「風の丘」(同市上西鰺坂)で、通所者の原美香さん(35)が段ボールに食材を詰めていく。時折、「じゅんびするもの」と書かれた、作業手順を示す写真付きのボードを確認する。「まごころパック」の中身は、地元農家の米10キロに加え、別の就労事業所が生産した焼き菓子や野菜など8品。原さんは「しばらく作業がなくて暇だったけど、誰かのために仕事ができるのはうれしい」と喜んだ。

 風の丘の椛房子施設長によると、4月の緊急事態宣言以降、清掃を請け負っていた高齢者施設は立ち入り禁止に。お菓子の箱や紙袋を作る作業の受注も減少。作業収益は前年同月比で5~7割減ったという。

 まごころパックは、市社会福祉協議会が窓口の「緊急小口資金」などの特例貸し付け利用者に提供。申請時に市社協でパックの申し込みも受け付け、後日、就労事業所が配送している。

 市によると、事業には食材提供や梱包(こんぽう)、配送に市内の7事業所が参加。地元農家やJAみいも割安で米を提供している。

 市は、コロナ禍が生活に及ぼす影響が長引いているとみて、27日開会の市議会定例会に提案した補正予算案に、パックの事業費として約590万円を計上。本年度中は事業を続ける。市福祉課の担当者は「生活支援と障害者の働く場の確保を結びつけ、各方面の困ったという声の解決に少しでもつなげたい」と話した。

(内田完爾)

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