「希望の松」朝倉ですくすく 震災被災地由来の苗木育つ

西日本新聞 ふくおか都市圏版 横山 太郎

「諦めない心を持ち続けて」

 東日本大震災で生き残った松の「子孫」が、2017年の九州豪雨で被災した福岡県朝倉市の杷木小ですくすくと成長している。松を2年前に贈った春日市のNPO法人「星のふるさと」の今村次美理事長(67)は8月下旬、同校を再び訪れ、児童たちに松の生命力の強さを紹介しながら「諦めない心を持ち続けてほしい」とエールを送った。

 今村さんは大震災直後の2011年6月、ボランティア活動で宮城県東松島市を訪問。津波に襲われた海岸の松林で松ぼっくりを拾い、自宅に持ち帰った。採った種をプランターに置いていたところ「奇跡的に」芽吹いたという。

 今村さんは苗木を「希望の松」と名付け、東松島市や春日市の小学校に贈呈。その後、春日市の小学校で実った松ぼっくりから採種して育てた苗木を、杷木小や熊本地震の被災地の小学校などに贈ってきた。

 今村さんは8月24日、5年生35人を前に「希望の松」について講話。被災地で撮影した写真などを見せながら「(松ぼっくりから採れた種は)海水に漬かっていたのだから芽は出てこないだろうと思っていた。でも生きていた。生きるという強い意志があったんです」と強調。3年前の九州豪雨に触れながら「災害で苦しかったと思うが、みなさんの成長とともに松の木も大きくなる。つらいときは松の木を見て一緒に頑張ってほしい」と語り掛けた。

 ある児童(11)は「被害に遭った人たちを元気にしたいという、今村さんの思いが伝わってきた。誰かの支えがあるから、私たちはいま幸せでいられると思う。今村さんとの出会いを一生忘れません」と話した。

(横山太郎)

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