徐々に復旧も車通れぬ 回り道余儀なく遠い中心部 芦北町伏木地区

西日本新聞 熊本版 村田 直隆

 7月の豪雨による土砂崩れで犠牲者が出た熊本県芦北町伏木氏(ふしき)地区。山間部の集落につながる道は崩落や土砂崩れで一時孤立した。被災4日後に徒歩で集落入りを試みた町道は、複数の場所が濁流にえぐられていた。あれから2カ月でどう変わったのか。今月1日、歩いて集落を再訪した。

 町中心部から車で10分。同町宮浦の採石会社の手前で車を降り、道路が大規模に崩れ落ちていた地点に着いた。被害の大きさにたじろいだ記憶が残っていたが、すでに砂利と土で整備されてあり、土砂を運ぶ大型トラックが砂ぼこりを上げて行き交っていた。

 川と道の境界が定かではなかった場所も、災害復旧車両の通り道ができていた。土砂が川をせき止めて道路に水があふれている地点も残っているが、複数の崩落箇所は土のうと砂利で固めてあり、順調な復旧を実感する。道がふさがっているのはのり面が崩れて土砂が堆積した1カ所だけ。大量の巨石が転がる川には清流が戻っていた。

 歩き始めて40分後、集落に到着した。住民によると、家屋被害こそ少なかったが、停電や断水が3週間ほど続いたという。集落につながる全ての道路が寸断したが、被災後間もなく同町小田浦地区に抜ける道は車で通れるようになった。

 ただ、今回歩いた町中心部につながる道路は、今も車では通れないまま。住民たちは食料品などの買い物をするために、小田浦地区経由の回り道を余儀なくされている。

 会社員の宮島幸宏さん(45)は「街まで普段の倍の40分はかかり、大量に買いだめしてしのいでいる。早く通れるようになれば」と困り顔。通院や通勤でも不便を感じる住民もいる。新聞が2日に1回しか届かない家庭もあるという。

 女性が自宅で犠牲になった土砂崩れ現場はすでに更地になり、がれきの一部が残る。崩れた斜面は道路沿いにあるため、二次災害を防ぐ仮設防護壁の整備が進んでいた。女性の幼なじみの中山幹男区長(75)は寂しそうに口を開いた。「あの日からもう2カ月。何とかここまで復旧したが、亡くなったのがまだうそみたいだ」 (村田直隆)

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