役所跡に古代のロマン 阿恵官衙遺跡 すずり、木製くし…出土物展

西日本新聞 ふくおか都市圏版 森 竜太郎

 3月に国史跡指定

 飛鳥時代から奈良時代にかけて現在の福岡県粕屋郡一帯を治めていた「筑前国糟屋評(かすやのこおり)(郡)」。政庁や正倉といった役所跡が良好な状態で保たれており、今年3月に「阿恵官衙(あえかんが)遺跡」(粕屋町原町、同町阿恵)として国史跡に指定された。粕屋町立歴史資料館(同町若宮)で同遺跡の企画展が開かれているので紹介する。

 遺跡は九州大付属農場内で発見され、指定範囲は約4・5ヘクタール。「官衙」は役所の意味で、政庁などの建物が整然と並んでいたことを示す柱穴や、税として集めた米を蓄えた正倉群跡、九州全体を統治した大宰府に向かう道路跡が残る。

 町教育委員会によると、698年鋳造とされる京都市・妙心寺の鐘(国宝)には「糟屋評造(かすやのこおりのみやつこ)舂米連廣國(つきしねのむらじひろくに)」という名前が記されており、地方の長官名が判明し、その執務地が明らかになっている数少ない例という。

 企画展では役人が使ったとみられる土器や木製のくし、すずり、輸入陶磁器の破片など出土物約20点、政庁と正倉群の模型などを展示。写真やパネルを交えて詳しく説明している。

 町教委社会教育課文化財係の西垣彰博主幹は「粕屋郡の歴史をさかのぼると、この遺跡にたどり着く。古代のロマンに思いをはせてほしい」としている。入場無料、企画展は27日まで。町立歴史資料館=092(939)2984。 (森竜太郎)

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