もっと気が利く質問はなかったかとも思うが、福田赳夫首相は…

西日本新聞 オピニオン面

 もっと気が利く質問はなかったかとも思うが、福田赳夫首相はこう尋ねた。「一番飛ぶ球は」。王貞治選手は直球で答えた。「真ん中ですね」

▼1977年の今日は初めて国民栄誉賞が授与された日。プロ野球で本塁打世界記録を達成した王選手に贈られた。記念の盾は間に合わなかった。国民的快挙をどう顕彰するか議論百出したため、と本紙は伝えている

▼世界のサッカーファンにとっては議論百出どころか、王選手が大リーグに渡るほどの衝撃か。スペイン・バルセロナのメッシ選手が19年間在籍するクラブから移籍希望を表明した

▼彼がピッチで躍動する試合をバルセロナの本拠地で2度観戦した。シャビ、イニエスタの両選手と織りなすパス交換は、いつまでも見ていたいと思うほど美しかった。得点すると10万人近い観衆から「メーッシ、メーッシ」と神をたたえるようなコールが

▼そんな「神」も盟友が次々と去り、勝利の重圧を1人で担うのに耐えきれなくなったのか。クラブに内容証明郵便を送ったのは退団の固い決意の表れだろう

▼王さんも巨人の監督を辞めた後、転機があった。九州へ渡りホークスで常勝軍団を築いた。いろんな確執を越え、自身が思い描く野球道の「真ん中」を行く決断だったのだろう。メッシ選手も会長との根深い確執を聞くが、思い描く「真ん中」の道を歩んでほしい。あのプレーが見られなくなれば世界が悲しむ。

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