中間層や中小、地方への分配手厚く 岸田文雄氏に聞く 自民総裁選
-多くの派閥が菅義偉官房長官を支持し、厳しい情勢だ。
「厳しいながらも協力してくれる人がいる。総裁選に真剣に臨み、国民に政策や思い、政治姿勢をしっかり訴えていく。それが党員・党友による予備選の結果につながり、国会議員票にも跳ね返ってくると思う」
-安倍政権の路線をどう継承し、どう変えるか。
「同じことを5年、10年やって通用するほど甘くない。新型コロナウイルスへの対応など時代は変化している。安倍政権の成果を土台にして政策を進化、充実させていく」
-総裁選の政策集で「分断から協調へ」を掲げ、格差解消を打ち出した。
「アベノミクスが大きな成果を出したことは間違いない。ただ、成長の果実が中小企業や地方に行き届いておらず格差が広がっている。中間層や中小企業、地方への分配を手厚くして格差を解消する。中間層などが負担を感じている教育や住宅を支援する」
-地方活性化へデジタル化を推進する「デジタル田園都市構想」も掲げた。
「田園都市構想は、自然豊かな地方と都市を結び、個性ある発展につなげようと40年前の大平内閣が打ち出した。当時は成果が出なかったが、コロナ対策で東京の過度な密集や、東京にいなくても仕事ができることを身をもって理解した。この雰囲気の中でデジタル化を進める。ビッグデータや5Gを活用することで地方を盛り上げていく」
-具体的には。
「自動運転が高齢者の移動を支え、ドローン宅配は人手不足をカバーできる。遠隔の教育や診療、スマート農林水産業も地方を支える大きな要素になる」
-憲法改正への取り組みは。
「(自衛隊の明記など)自民党が示した4項目の改正案は進めるべきだ。ただ、自衛隊は(戦力の不保持と交戦権の否認をうたった)9条2項を残した上での明記であり、平和憲法の精神は維持される」
-日韓関係にはどういう姿勢で臨むか。
「韓国に国際条約、国際法、国際儀礼を守ってもらうことは譲れない。話し合いを進めるにも、国民感情や社会の雰囲気を落ち着かせながらやることが重要だ」
(黒石規之、山口卓)
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安倍晋三首相の後任を選ぶ自民党総裁選の候補が出そろった。出馬表明したのは岸田文雄政調会長、石破茂元幹事長、菅義偉官房長官。3人に話を聞き、各氏の政権構想などを紹介する。