用水路損壊、米の収穫絶望的 大分・日田、豪雨災害から2ヵ月

西日本新聞 社会面 鬼塚 淳乃介

迫る台風「もう打つ手ない」

 大分県日田市天瀬町の山あいに広がる田畑約45ヘクタールへの農業用水路が7月の記録的豪雨で損壊し、水が絶たれて米などの今季の収穫が絶望的になっている。応急復旧に手を尽くしてきた中で、今度は台風も迫る。豪雨被害から7日で2カ月。田畑自体はほぼ無事だっただけに、農家の人々は徐々に枯れていく稲をやるせない思いで見つめていた。

 用水路は71年前に地元住民が造った「赤岩幹線水路」。全長約10キロで、約5・3キロがトンネルになっている。玖珠川支流の赤岩川から取水、山間部を縫うように延び、女子畑(おなごはた)地区の田畑に水を運んでいる。

 女子畑土地改良区などによると、異常が分かったのは7月19日。水門を開けても水が出ず、トンネルの約30メートル真上の山中で陥没跡が見つかった。トンネルの両端から機械を入れて調べると、約60メートルにわたって土砂で埋まり、水をせき止めていた。豪雨で谷間に集まった雨水の重みで、トンネル脇の土砂が崩落したとみられるという。

 市は応急措置で迂回(うかい)路の整備に着手したものの、工事に必要なポンプの調達が難航。近畿農政局(京都府)から借りて着工できたのは8月22日だった。一部農家は自ら給水車を用意して水を運んだが、稲は少しずつ枯れ始めていった。

 ようやく迂回路が完成した後も、調整に時間がかかり通水時期は未定。今季の収穫は期待できず、被害額は最大で数千万円に上る可能性があるという。改良区の財津博理事長(72)は「手を尽くしてくれる市には頭が下がる思い。完成した迂回路も台風10号でどうなるか…。ここまで育ててきたのに、もう打つ手がない」とうなだれる。

 枯れても稲は刈り取る必要があり、負担はさらに増える。市などは3年以内の水路の完全復旧を目指すが、農家は来季以降の作付けにも不安を募らせる。財津理事長は「水が足りないため、来季は半分も収穫できるだろうか」とため息をついた。

(鬼塚淳乃介)

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