鉄道は計画運休 豪雨被災地では広域避難も 台風10号に備える九州

西日本新聞 内田 完爾 本田 彩子 岩佐 遼介 梅沢 平

 九州各地では6日、自宅や店舗を補強するなどして台風10号に備え、不安な一夜を迎えた。鉄道各社は計画運休し、立体駐車場ではマイカーを避難させようと行列ができた。7月豪雨で被害に遭った熊本県南部では、避難所での「3密」を避けるため、別の自治体にバスで住民を移動させる「広域避難」が行われた。

 JR博多駅では、利用客がダイヤの乱れを心配していた。福岡市で同日昼にあるプロ野球を見に来た千葉県松戸市の会社員雨宮英雄さん(40)は駅員に運行状況を確認。福岡発羽田行きの飛行機が欠航になり、「観戦を諦め、新幹線が動いているうちに帰った方がいいかも」と話した。

 福岡市で単身赴任中の夫を訪ねて来た兵庫県三田市の女性(50)は、正午前の新幹線で新神戸へ戻るという。「夫の家では水を冷凍庫で凍らせるなど、できる限りの備えはした。急いで自宅に戻ります」

 激しい風雨に備えて店舗を補強する人の姿も。

 長崎県佐世保市の美容室では従業員5人が割れた窓ガラスが飛散しないよう、粘着テープや段ボールで補強していた。浸水を想定し、閉店後には機材を1階から3階に移すという。ホテルに避難している大野優希さん(21)は「何も被害が出ないといいのですが」と不安そうに話した。福岡県久留米市の貸衣装店で窓にテープを貼り付けていた成清修さん(55)は「ただでさえコロナ禍で経営はダメージを受けている。さらに災害が起きればたまらない」。

 台風は7月豪雨の被災地に追い打ちをかける。豪雨で約50人が避難していた熊本県人吉市の中原小には、新たに100人以上が身を寄せた。避難先の実家から逃げてきた同市上原田町の尾曲律子さん(57)は「自然災害は避けられないけど、どこまで追い詰められるのだろう」とため息をついた。

 各地の立体駐車場では浸水や飛来物に備えてマイカーを移動させようとする車が列をつくり、ホテルでは避難する人のチェックイン待ちの行列もできた。

 営業時間を切り上げる百貨店や商業施設も相次いだ。大丸福岡天神店は5時間繰り上げて午後3時に閉店。福岡三越や久留米市の岩田屋久留米店も午後2時で閉店した。(内田完爾、本田彩子、岩佐遼介、梅沢平)

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