落書きトンネルに「花」咲かせる 住民が移り変わる四季を描く

西日本新聞 ふくおか都市圏版 下村 佳史

 住民が主体となって落書きで埋め尽くされたトンネルの壁面に、自然に恵まれた地元の風景を描き、安心して通行できるようにする取り組みが福岡市西区金武で始動している。西区役所が始めた「トンネルに『花』を咲かせるプロジェクト」の一環で、小学生や高齢者がボランティアで参加し、住みよい町づくりを進める。

 2018年から2年がかりで同区拾六町の国道202号高架下トンネルを、花の絵で華やいだ場所に変えたプロジェクトを参考にして、金武町内会が実施。区の協力を得て塗料代の一部の補助を受ける。

 今回のトンネルは町内を走る市道の下のトンネルで、長さ約17メートル、高さ約3メートル。町と農地をつなぎ、普段は農家が利用しているが、かつては非行少年のたまり場となった時期もあった。15年ほど前からスプレーでアルファベットのような文字や絵が落書きされ、通行人から「犯罪に巻き込まれそうで怖い」との声が出ていた。

 このため、町内会が拾六町の事例を手本にし「住民が地域に誇りを抱ける絵」をトンネルに描くことにした。

 テーマを「みんなで育む自然豊かな金武」とし、地元の画家、鍋山由美子さんに両壁面に施す図柄の下絵作成を依頼。飯盛山などの山並みを背景に四季の移り変わりを表現した里とトンネルそばを流れる竜谷川の二つ風景を下絵として用意し、その上にボランティア参加者が花々や生き物などを描き加えて仕上げていくことにした。

 町内会関係者が今月から壁面に白いペンキを塗って落書きを消し、キャンバスのように仕立てた後、10月中旬までに下絵を描いて準備。この後、小学生や高齢者が加わって、さまざまな風物を描いてもらい、11月中に完成させる。現在、50人を目標に町内の参加者を募集している。

 大原隆町内会長は「地域のきれいな風景を題材にすることで、地元の魅力を見つめ直す機会にもなる」と話していた。 (下村佳史)

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