「風の音で起こされた」避難所、不安な一夜 定員超で入れぬケースも

西日本新聞 夕刊 古瀬 哲裕 金沢 皓介 梅沢 平 竹中 謙輔

 吹き荒れる暴風雨、停電で広がる暗闇…。台風10号の暴風域に巻き込まれた九州各地の避難所では7日朝、不安な一夜を過ごした住民たちが疲れた表情を見せた。新型コロナウイルス対策の人数制限で避難者が入りきれない避難所が相次ぎ、7月豪雨で甚大な被害が出た熊本県南部ではさらなる浸水被害におびえる人もいた。

 53人が避難した北九州市若松区の若松中央市民センターでは7日朝も多くがとどまり、テレビの台風情報に見入った。近くの女性(79)は、窓越しに外の様子を見ながら「風の音がすごく、何度も起こされた」と疲れた様子。コロナによる外出自粛で会えなかった近所の人と久しぶりに会い「世間話で気を紛らわした」と振り返った。センターは「3密」対策で受け入れ人数をこれまでの半分にしており、6日のうちに満員になったという。

 各地の避難所でもコロナ対策で受け入れの定員に達するケースが目立った。福岡県大牟田市では開設した47カ所のうち5カ所で満員となった。

 同市原山町の中央地区公民館では3階建ての全部屋が埋まり、2世帯ほどの受け入れを断って近くの避難所に誘導した。ロビーのソファで一夜を明かした人もおり、中原和弘館長は「開設前日から問い合わせが殺到した。一人で自宅にいることが不安な高齢者が多く、こんなに人が詰め掛けたのは想定外だった」。

 全世帯の2割が停電した鹿児島県では、鹿児島市の22カ所の避難所でも停電。住民は懐中電灯やスマートフォンの明かりを頼りに過ごしたという。「エアコンや扇風機も使えなくなったが、大きな混乱はなかった」(市の担当者)

 同県枕崎市では、通常の台風時の避難所利用は100人ほどだが、今回は高潮を警戒して沿岸部の住民の避難が多く、最大で550人が避難した。複数の避難所で停電したが、体調を崩した人の報告はなかったという。

 7月の豪雨で甚大な被害が出た熊本県人吉市。避難所となった市カルチャーパレスには約240人が身を寄せた。先の豪雨で自宅に住めなくなった30代女性は、球磨川沿いの別のアパートに移っていたが、浸水に備えて避難した。「風がすごかった。何事もないと良いが、仮住まいのアパートがどうなっているか心配です」と家路を急いだ。(古瀬哲裕、金沢皓介、梅沢平、竹中謙輔)

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