台風10号通過 熊本で4万人超の県民が避難 被害軽微で住民は安堵 

2万5280戸停電、ナシ一部落果も

 「特別警報級」と警戒された台風10号が7日、熊本県内を通過した。県のまとめでは、最大で約166万人に避難指示・勧告が出され、4万人を超える県民が避難。約2万5280戸が停電した。ただ、人や住家の被害は軽微で、7月豪雨で被災した住民たちも安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 人吉市上薩摩瀬町の自宅が7月の豪雨で床上浸水し妻と避難所に身を寄せる男性(72)は、間もなくリフォームする予定の自宅に行き、被害がないことを確認した。「家が飛ばされるんじゃないかと心配してたけど、何もなくて良かった」とほっとした様子。「来月まで台風シーズンは続く。気は抜けません」と話した。

 豪雨で自宅が1階天井まで浸水した芦北町白石の川口重行区長(72)も、避難所から自宅に戻り、家の無事を確かめた。「台風の度に心労が増え、嫌になる」

 荒尾市では「ジャンボ梨」の愛称で知られ、出荷を控える主力品種「新高」の一部が落果被害に遭った。同市川登の男性(57)の農園では新高の1~2割が落果。中村さんは「全滅を覚悟していたので、ましな方かも」と自分を励ますように話した。市の担当者は「(市全体では)1割以内の被害に収まりそうだ」としている。

 来年3月開通に向けて南阿蘇村の立野峡谷で建設が進む新阿蘇大橋(525メートル)の工事現場では、異常がないことが確認され、関係者は胸をなで下ろした。橋桁が近くつながる大詰めの段階。補強工事を施して乗り切ったという。8日以降、風速10メートル以下になってから工事を再開する予定だ。

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 朝方、強い風と雨に見舞われた熊本市中心部。休業する企業も多く、人通りはまばらだったが、雨がっぱを着て集団で通勤する姿も見られた。

 昼になると、コンビニが次々と営業を再開。ただ、店内におにぎりやサンドイッチはなく、営業している数少ない飲食店に人が詰めかけた。毎日通う飲食店が休みで、牛丼チェーン店にやってきた同市中央区の会社員(46)は「なんとかお昼にありつけた。開店しているだけでありがたい」と話した。

 午後2時には熊本市電が運行を再開した。いつもの平日と比べると利用客はかなり少なめで、ガタゴトという市電の走行音が人の少ない街に響いた。 (長田健吾、宮上良二、佐藤倫之、中村太郎、村田直隆)

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