台風10号 筑後地区にも爪痕 久留米市、みやま市で3人負傷

西日本新聞 筑後版

ナシ落果、避難所満員も

 気象庁が最大級の警戒を呼び掛け、7日未明に最接近した台風10号は筑後地区にも爪痕を残した。広範囲で停電が発生し、果樹園では収穫前のナシが強風で落下。早めの避難が功を奏し、人的被害は少なかったものの、大牟田市などで一部避難所が満員となり、混乱する場面もあった。

 福岡県みやま市では60代男性が倉庫の屋根に登って雨漏りを修理中に転落、首に軽いけがをした。気象庁によると、久留米市の最大瞬間風速は29・9メートル。市内では男女2人が風にあおられて転倒、軽傷を負った。

 農業関係は収穫前のナシの落果が相次いだ。うきは市浮羽町の観光農園「春光園」は農地80アールで栽培するナシの1割ほどが被害に。末次伸行代表は「予想より被害は小さかったが、今年は暖冬と春先の天候不順の影響で実付きが悪く、痛手が続いた」とこぼす。

 家屋の目立った被害は今のところ確認されていないが、うきは市吉井町の川前(こうぜん)橋の街灯が強風で根元から倒壊。大牟田市では、八角目峠付近の県道大牟田南関線が倒木のため一時全面通行止めに。久留米市や八女市、広川町などの一部地域で停電が発生した。

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 未曽有の台風に備え、多くの市民が避難所に身を寄せた。久留米市では64カ所に最大で計5079人が避難。うち市役所など14カ所が満員となり、近くの避難所を案内する事態になった。市担当者は「通常の台風の避難者は数百人。今回は避難所を増設したが、市民の危機意識が高く、想定を上回った」と話す。

 市役所に避難した女性(72)は「早めに来て良かった。嵐の中で『ここは使えません』と言われたらと思うと…」と、ほっとした様子。別の男性は「7月の豪雨の時に避難所が満員で他に回ったので、開設前から来ていた」と語った。

 うきは市と大川市は一部避難所で受け入れ人数が増えたため、それぞれ1カ所を増設。うきは市の担当者は「(新型コロナウイルス対策で)3密は避けなければならない。暗い中で別の避難所に移動してもらうのは心苦しかったが、納得してもらった」と説明した。

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