コロナ下の透析治療、大丈夫? 感染防止策は万全、安心して

西日本新聞 医療面

 糖尿病で約5時間の透析治療を週3回受けています。新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生した透析専門病院もあると聞いて、心配です。 (福岡市、70代男性)

福岡赤十字病院 腎臓内科部長 満生浩司さん

 糖尿病などの持病がある人は新型コロナにかかると重症化しやすいといわれています。頻繁に通院し、複数人が同時に治療を受けている環境が心配なのでしょう。

 日本透析医会の発表によると、8月28日までに224人の透析患者が感染し、30人が亡くなっています。死亡率は13・4%。日本全体の死亡率が1・9%(9月1日現在)なので、とても高く感じます。ただ、透析を受けるのは圧倒的に高齢者が多いため高くならざるを得ず、単純に比較はできません。

 糖尿病患者が重症化しやすいのは、合併症による影響が大きいと考えられます。腎機能の低下だけでなく、動脈硬化を併発している人、肺機能が低下している人が少なくありません。いずれも新型コロナ重症化の要因です。血糖値が高いため免疫力も弱まり、さまざまな感染症にかかりやすい状態でもあります。

 ただ、同じ環境ならば、糖尿病患者がそうでない人に比べて新型コロナにかかりやすいというデータはありません。感染した透析患者の中には「大勢で会食した」という人がいます。家族も含め、こうした場に行くときは十分気を付けてください。

 医療機関の透析フロアでは、血液を扱うので、以前から手袋、ゴーグル、防護服、消毒、手洗いなど、一般の診療フロア以上に徹底した感染防護体制を敷いています。全国的には、感染が確認された透析スタッフもいますが、大半は1人のみの散発例です。ご心配のクラスターは、通院途中の接触が主な原因と分析されています。各医療機関は、通院時や更衣室でも密にならないよう、通院を分散させるなどの対策をしています。

 最近、親しい透析患者さんが「コロナの感染が広がった当初は心配だったけど、今は、何かあったらすぐ相談できる主治医がいるし、ちゃんと対応してもらえると分かったので、かえって心強い」と話していました。

 もし発熱などの症状が出たら、事前に電話をもらえれば、他の患者と接触せずに透析できるよう態勢を整えています。感染が判明すれば入院治療になりますが、医療機関の連携もしっかり取れているので安心してください。

 (福岡市)

PR

医療・健康 アクセスランキング

PR

注目のテーマ