農業や文化財被害深刻 大浦天主堂屋根瓦はがれ 重軽傷者15人に

 7日に接近した台風10号の長崎県内の被害状況が徐々に明らかになった。県災害対策本部のまとめによると重軽傷者は計15人。農業や文化財の被害も広がっており、県は全容の把握を急いでいる。

 長崎市では6人が重軽傷を負った。70代男性は倒木の撤去作業中、足を滑らせて転倒し骨折。60代男性も作業中に脚立から転落して骨折する重傷を負った。ほか、70代と80代の女性、30代と50代の男性が強風にあおられて転倒した。時津町でも50代女性が風にあおられて転倒した。

 佐世保市針尾東町のミカン農家田中芳秀さん(57)の畑では、今月末から収穫を始める予定だった温州ミカンが落ち、倒れた木も数十本あった。水分調節のために地面を覆うビニールシートもはがれた。

 田中さんは「被害は1987年の台風以来の厳しさ。半分近くが商品にならないかもしれない。だめになった木は元に戻るまで6、7年かかる。実が落ちるよりも痛い」と落胆。

 佐世保市によると、ほかに花きを栽培するビニールハウス損壊、牛舎屋根の破損など被害が出た。島原ではブロッコリーの苗やネギの茎葉が損傷。県内全域でアスパラやミニトマト、メロンなどのビニールハウスの破損が複数箇所であっているという。

 世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成遺産も被害を受けた。長崎市の大浦天主堂では、屋根瓦50枚がはがれた。同市の旧出津救助院では窓ガラスが割れるなどの被害。久賀島(五島市)の旧五輪教会堂でも瓦がずれ、雨漏りしている。

 海幸彦・山幸彦の竜宮伝説で知られる対馬市の和多都美神社では海上にある二つの鳥居のうち「一の鳥居」が倒壊した。神職平山雄一さん(34)は「台風の強い風と高潮の影響で倒れたようだ。できるだけ早く再建できれば」。 県は8日、県災害対策本部会議を開き、中村法道知事は「今後、復旧復興に全力を注いでいく」と話した。 (徳増瑛子、平山成美、平江望、岩佐遼介)

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