「おまえ、楽しんでいるか?」監督の言葉が人生のキーワードに

「アイランドアイ」責任者 蔵本寛大さん(36)に聞く

 福岡市東区のアイランドシティで3月に開業した大型商業施設「アイランドアイ」の責任者を務める。新型コロナウイルスの感染拡大が各地の集客施設に影を落とす中でのオープンにも、「これまで学んだことを実践できる好機」と前向きに捉える。

 関西で生まれ育ち、高校では部活の野球に明け暮れた。レギュラーに手が届かなくても、白球を追う日々は充実していたはずだった。そんな時、監督に言われた。「おまえ、楽しんでいるか?」

 無意識だったが、何らかの不満が表情や行動に表れていたらしい。監督の言葉は、ずっと自らに問い掛けるキーワードになった。

 卒業後は2浪し、予備校で年下と同じ教室で学んだ。上下関係が厳しかった野球部とは違い、ため口で話し掛けてくる級友にいら立った。先が見えない「闇」の中を進む状況に焦りが募っていた。

 将来を悩み、たどり着いた考え方が「攻めなら経営に進む」。龍谷大経営学部に進学し、関西学院大大学院で会計を専攻。経営の課題を洗い出し、解決する手法を学んだ。

 それを実行したのが、アルバイト先のお好み焼き店だった。経営の改善を図っていた最中で、器や食材の配置、店員の動線を見直すよう提案すると、採用されて売り上げ増につながった。「バイト代をもらい、改善案の実験もできる」。経営の面白さを実感した。

 東京の企業に就職し、2010年に創業家と縁があった健康食品通販「やずや」(福岡市)に入社。グループ会社にも籍を置き、ゴルフ事業を立ち上げ、広告部門も担当した。

 16年度には、働きながらグロービス経営大学院福岡校に入学。「九州の仲間をつくりたかった」。読書で培った知識も含め、経営を体系的に整理したい考えもあったという。

 販売戦略や課題解決法、社内外のコミュニケーションのノウハウを幅広く学び、酒も酌み交わした。3年間で卒業した後も、悩みを相談できる仲間とつながっている。

 「いかに自分が楽しめているかが大切。興味があることを深掘りし、新しいことに挑戦していきたい」

 (編集委員・四宮淳平)

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