球磨川の流域治水「検討する」 熊本知事、7月豪雨の検証後に

西日本新聞 熊本版 古川 努

 7月豪雨で氾濫した球磨川流域の治水を巡り、熊本県の蒲島郁夫知事は9日の定例記者会見で、九州大工学研究院の島谷幸宏教授ら河川研究者11人が知事宛てに出した「流域治水」に関する提言に関し、年内をめどとする国、県、流域市町村の検証委員会の検証結果を踏まえ、具体的な治水策を立案する「次の段階」で検討する考えを示した。

 検証委にも同日出された提言は、「流域治水で水害の被害を大幅に軽減可能」とする。基本的な考え方は、河道の流下能力の向上やダム建設による「流量の制御」ではなく、本流と支流の保水・貯水能力を高める「流速の制御」。水が流れる速度を落とすことで、洪水のピーク流量を低減させる手法だ。

 流速を制御する手法として、球磨川上流部の「瀬」の復活で流れを拡散▽支流護岸の玉石化や蛇行再生▽本流・支流の合流部の遊水池化-などを挙げる。その上で「それでもなお洪水対策が実現できない場合にはダムを排除するものではない」とする。

 ただし、2008年に蒲島氏が「白紙撤回」した川辺川ダム計画のような貯留型ダムについては「環境への影響が大きく現実的ではない」と指摘。流水型(穴あき)ダムに関しても「環境に対する十分な配慮が必須」としている。

 島谷教授は西日本新聞の取材に「かつての川辺川ダム計画は途中まで進んでおり、時間的には早く実現可能だろう。だが、球磨川の治水を考える上で大切なのは清流の維持。清流を守ることが地域の持続につながる」と強調。「(流域治水はダムよりも)コストははるかに安く済む。実現までの期間は、地域の合意形成ができるかどうかで左右される」と話した。

 気候変動による異常気象にスピード感をもってどう対応するのか。住民が誇る清流をいかに守り、地域の合意形成に結びつけるのか。豪雨災害後の民意をどう把握するのか。

 記者会見で蒲島氏は「民意に反して、何が何でも決めたから続行するというのは、まさに独裁者」と述べ、年内に治水案をまとめた後、何らかの方法で「民意」を問う考えを示した。

 (古川努)

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