「一番搾り」の魅力、ドイツで再認識 ビールの探求続ける醸造専門家

西日本新聞 総合面 仲山 美葵

 ビール醸造の高い能力があることを証明するドイツの国家資格「ブラウマイスター」を持つ。ビール醸造専門家の黒杭隆政さん(51)は、キリンビールの全工場で流す見学ビデオで看板商品「一番搾り」の魅力を語るなど、同社のビール造りの“顔”として活躍している。

 福岡市出身。九州大大学院農学研究科を修了し、キリンビールに入社した。34歳の時、「世界的なビール造りの考え方や技術を学びたい」と手を挙げ、ベルリン工科大のビール醸造研究所に留学した。

 期間は2年間。原料の選び方、味の引き出し方などに加え、生産設備や経営など醸造所の運営に必要な内容も幅広く身に付けた。共に学んだのはキャリアアップを目指す世界の醸造技術者たち。自社の「一番搾り」は「麦汁の1番搾りしか使わない、世界的、歴史的に見てもとてもぜいたくなビール」と再認識した。

 従業員約3700人のうちブラウマイスターは約20人のみ。帰国後、2014年に発売された「一番搾りプレミアム」の責任監修者を務めた。

 19年3月、福岡工場(福岡県朝倉市)に異動し、25年ぶりに地元に戻った。品質管理の責任者である副工場長を務める。「同じ商品でもよりいいものを造ろうと技術開発をしている。その技術を工場に落とし込み、製品にすることに責任を持って臨んでいる」

 福岡工場には日本のビール工場で唯一、大麦から麦芽を造る施設がある。地元産の麦芽は、個性的な「クラフトビール」を造る九州のメーカーにも提供している。ビールの探求者たちとの交流にも刺激を受けながら「もっと個性的なビールも造ってみたい」と語る。

(仲山美葵)

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