【動画あり】ツェッペリンのおやじバンド、ライブハウス支える配信

西日本新聞 木村 貴之

 福岡を拠点に英人気ロックバンドのカバー演奏活動を続けるアマチュアバンド「グラーフ・ツェッペリンJP(ジャパン)」が、新型コロナウイルス禍の地元ライブハウスを演奏で支援している。9月に計2施設でライブ配信イベントを企画し、配信興行を軌道に乗せたい両施設を物心両面で後押し。支え合って奏でるロックをインターネットで披露する。

 バンドは2017年、福岡県志免町の会社員、田中健さん(57)を中心に結成した。メンバー5人。平均年齢55歳のおやじバンドがカバーするのは〝ハードロックバンドの祖〟として世界的に親しまれる「レッド・ツェッペリン」(1968~80年)の楽曲だ。即興を含む演奏やサウンド、ステージ演出まで本家に迫る本格派で、関東や関西など県外遠征でも多くのファンを動員。今回は結成3周年、バンド名末尾を当初の「Ⅱ」からJPに変更した記念も兼ねて企画した。

 ライブ配信は5日夜に福岡市早良区の「ジャムると西新」で実施。26日は午後8時半から、同市中央区の「キャバーンビート」で予定している。2日間で延べ4時間にわたり計30曲を無観客で演奏、その模様を両施設がそれぞれ撮影して動画投稿サイトユーチューブ」に無料配信する。

 田中さんは両施設と親交があり、ジャムるとがライブ配信を始めるため行った資金集めのクラウドファンディングで数万円を寄付。リターン(謝礼)としてリハーサルを含む6時間の貸し切りライブ配信ができる権利を得た。キャバーンに対しては、演奏中に視聴者から寄せられる「投げ銭」を全額寄付するという。

 バンドは施設のPRでも一役買う。ライブ配信で問われるのはコンテンツの発信力。視聴者が多いほど、配信にも本腰を入れる施設側にとって「チャンネル登録者」を増やすなど顧客開拓にもつながる。配信は今回初というジャムるとは「ライブ施設ではまだ知名度が低いうちにとって動員力のあるグラーフは心強い存在」と期待する。

 5日夜の第1弾で、バンドは「ロックン・ロール」「天国への階段」など名曲15曲を演奏した。激しいビートに触れただけで体を揺らしたくなるナンバーばかりだが、観客のいない会場は静か。ステージ周りにカメラスタンドが並び、店のスタッフが映像や音声、動画配信などを黙々と操作するとパフォーマンスは届いた。施設の定員の10倍以上に当たる500人超が視聴。国内外から「聴き入りました」「カメラワークも迫力があって良い」「very exciting!」といったメッセージが続々寄せられた。

 ライブ終了後、田中さんは「米国からもメッセージが届いて驚いた。アマチュアでも僕らバンドマンは、ライブハウスとは持ちつ持たれつの関係。ライブ配信に前向きな店と連携して演奏を広く届け、コロナ禍を乗り切りたい」と笑顔。ジャムると代表の大石浩司さん(54)は「多くの視聴者に届き、上々の滑り出し。配信技術をさらに高め、福岡の音楽シーンを一層盛り上げたい」と意気込みを語った。(木村貴之)
 

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