工藤会壊滅へ88人が“覚悟”の証言 福岡県警の頂上作戦6年

検察側「立証の土台築けた」

 11日で着手から6年となる福岡県警の「壊滅作戦」の本丸がヤマ場を迎えた。特定危険指定暴力団工藤会が関与したとされる市民襲撃4事件を巡り、殺人などの罪に問われた同会トップで総裁の野村悟被告(73)とナンバー2の会長田上不美夫被告(64)の公判は、1年弱に及ぶ実質的審理を終えた。年をまたいで検察、弁護側双方の最終的な主張に移る。争点は、実行犯らに両被告が指揮や命令をしたかどうか。関与を示す直接的証拠はなく、主張は真っ向からぶつかり合う。

 「うそごとです」「作り話」「そんな発言、あり得ない」

 7月30日~9月3日に行われた被告人質問。野村、田上両被告は、事件を示唆する発言を聞いたなどとする証人の証言を強く否定した。審理対象は元漁協組合長射殺(1998年)▽元福岡県警警部銃撃(2012年)▽看護師刺傷(13年)▽歯科医師刺傷(14年)-の4事件。事件への関与も全て否定した。

 「両被告が互いに意を通じて幹部や組員に指示した」(19年10月の初公判、検察側の冒頭陳述)。検察側は元組員ら延べ88人の証人尋問(同10月~20年7月)を行った。証言などの積み重ねで両被告の関与を主張する見通しで、被告人質問では証言との整合性を追及した。福岡地検幹部は、関与を全否定する両被告の発言は「想定内」とし、「被告の話は信用できないと主張できる土台は築くことができた」と強調する。

 「信頼している」(野村被告)。「人間として好きで尊敬している」(田上被告)。被告人質問では両被告の関係性を表す発言もあった。

弁護側「違法と不当な裁判」

 「異様な裁判。違法で不当な起訴」。初公判でこう反論した弁護側は、証人尋問を通じて「証人によっては、証言の信用性をかなり落とすことができた」と振り返る。焦点の指揮命令について「証言が信用できるとしても、それが有罪につながる証拠になり得るのか」と疑問を呈する。

 検察側の論告は来年1月14日、弁護側の最終弁論は同3月11日に予定される。「今後の暴力団犯罪の捜査を左右する」と、関係者が注視する公判。判決は同4月以降になる見通しだ。

 

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