不思議ちゃんの才能は底なし沼⁉ HKT小田彩加、地元舞台の映画で好演

西日本新聞 古川 泰裕

 ロケも舞台もスタッフも、北九州市にこだわった映画「めぐり逢わせの法則」(岩松茂監督)。豊永阿紀(20)や坂口理子(26)とともに主要キャストを務めた4期生の小田彩加(21)が好演を見せていると評判だ。「天然キャラでイラスト上手」。グループきっての個性派が新たな引き出しを開いている。

ベテラン俳優「あの子、なかなかいい」

 作品で演じたのは台湾からやってきた少女「林美玲(りん・みれい)」。同期の豊永演じる主人公に大きな影響を与える物語のキーパーソンだ。

 出演依頼があったのは、最新シングルのカップリング曲のミュージックビデオ(MV)撮影中だった。舞台経験豊富な豊永や坂口に比べて見劣りするのでは…と不安もあった。体を硬直させるほど驚きながら、心はひるまなかった。「新しく何かを見つけられるかも」。挑戦を決めた。

 撮影初日は緊張を隠せなかった。だが、1カット目から役に入り込んでいた豊永に引っ張られるように演じることに没頭していく。医師役の大和田伸也さん(72)と感情をぶつけ合うシーンでは、カットがかかった後も涙が止まらなかった。

 「(大和田さんに劇中の)世界に連れて行ってもらった感じ」と振り返る小田。「水戸黄門」の格さん役で知られるベテランも同じ思いを抱いていた。「あの子、なかなかいい。あの顔を見たら、こちらも本気になった」。移動中の車内で、こう小田を評したという。

イラスト、お笑いでも活躍

 北九州市内の高校に在籍していた2015年、HKTの冠番組「HKT48のごぼてん!」に学校評判の美少女として登場した。当時ロケに訪れた松岡菜摘の「これはもう、4期生だな」の発言は後に現実となった。

 その頃から異質のキャラは光っていた。

 無料通信アプリ「LINE(ライン)」を「ライオン」と聞き間違える。松岡たちの後に、指原莉乃がロケで再訪した際には終わるころになって、その存在に驚く“天然”ぶり。「自分でも怖い」と振り返る暴れっぷりだった。

 16年7月、活動をスタート。その個性はキャラの強さにとどまらなかった。代名詞と言っていいのが独特の感性を生かしたイラストだ。「頭の中に浮かんだものを、できる限りそのまま表現している」という世界は、カラフルで温かく、人柄が見て取れる。

 18年のAKB48選抜総選挙では50位にランクイン。公約だった個展を東京と福岡で開催した。今年5月、グループが福岡市教育委員会にマスクを寄贈した際もシールをデザインした。

 一方、今年に入ってインスタグラムに掲載を始めた4こま漫画「地球に行きたい宇宙人」シリーズでは違うタッチを見せる。

 「けっこうピンチなかんじ?」と尋ねる宇宙人に対し、もう一人がのんびり「だね~」と返す。一見ほのぼのとしたやりとり。だが、引いた絵で見るとそこは断崖絶壁。落ちたら到底助からないと思われる高さで、のんきなやりとりを繰り広げる様はシニカルだ。

 源流にあるのが同期の運上弘菜(22)と組んだ伝説のお笑いコンビ「きゅうりジュース」。針山などさまざまな地獄を強引に「痩身(そうしん)効果がある」と結び付けるブラックなネタを披露し、一部に強烈な支持を得た。

 「危ないけど、危なっかしいギリギリというか。許されるギリギリぐらいをいくのが、すごく好き」。ふわふわした口調と「ギリギリ」に触れようとする危うさ。一見すると相反するが、そのどちらもが「小田彩加」なのだろう。

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