ゴルフカートでBRTと地域結ぶ 福岡と大分、県境越えて運行実験へ

西日本新聞 筑豊版 吉川 文敬

3年後の運用開始目指す

 2017年7月の九州豪雨で被災したJR日田彦山線沿線の福岡県添田町と大分県日田市は今年10、11月、導入される予定のバス高速輸送システム(BRT)の停留所と地域をゴルフカート(7人乗り)で結ぶ2次交通の実証実験を行う。両自治体は安価で持続可能な公共交通機関として、3年後とされるBRT始動時の運用開始を目指している。

 添田町によると、不通区間でのBRT運用が始まると、日田彦山線と並行する町バスの存続が困難になるとみられるため、日田市と地域交通の代替実験を進めることを決めた。実験には、大分県姫島村で観光用として一般道を運行しているカート(全長4メートル、全幅1・4メートル、高さ1・9メートル、重さ640キロ)1台を使用する。

 同町の計画では、今年11月6、10、13日の3日間、同町深倉と約2キロ下流の彦三公民館の間で町バスを停止してカートで結ぶ。同館と町中心部を往復する町バスをBRTに見立て、導入時のシミュレーションを行う。深倉は町バス路線の終着点で、同館周辺は同町がBRT用新停留所の設置を求めている。

 また観光面での利用も考え、英彦山のバス停「別所駐車場」から「神宮下」までの0・4キロを11月15、21、22、23日の4日間休止。英彦山スロープカーや参道周辺を周遊し、駐車場利用者のカート乗車率などを調べる。

 町職員らは3月、姫島で実際に7人乗りのカートに乗り、乗り心地や大きさなどを確認。7月には、急坂の多い英彦山神宮周辺に7人乗りカートを持ち込み、実走可能かも調べた。

 日田市も10月、JR夜明駅や大鶴駅周辺で同様の実験を行う方針。添田町は利用状況などを精査した上で、3年後の複数箇所での運行を目指す。最高時速20キロと低速で小回りも利き安全性も高いことから、将来的には運転手の雇用など運行の主体を地元に委託する方針という。

 関西大の宇都宮浄人教授(交通経済学)は「中山間地域には交通弱者の高齢者が多い。その足を支える公共交通の試みとして注目される」と話した。

(吉川文敬)

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