いつもと違って店の前に人だかりがしている…

西日本新聞 オピニオン面

 いつもと違って店の前に人だかりがしている。近づいてみると「売り尽くし」「感謝セール」の垂れ幕。商店街などでたまに出くわす。そんな光景とダブる

▼「安倍晋三商店」の幕引き。売り物の商品はこのところ色あせ、客足は鈍っていた。それがつかの間ながら一転、にぎわいを見せた-。そう、内閣支持率の話。首相の辞任表明後、各種世論調査で10~20ポイント前後も跳ね上がった

▼「閉店人気」。長年親しまれた店が惜しまれるのと同じ現象と分析した識者も。失政はあっても、首相が経済や外交などで一定の成果を上げたことや激務が続いたことへのねぎらい、感謝の念を抱いた人もいよう

▼さて、後を継いで正式に開店する運びとなった「菅義偉商店」。こちらは新装オープンのイメージに乏しい。その原因は“品ぞろえ”にありそうだ

▼貸店舗で例えれば、菅商店は前の店の設備や内装をそのまま引き継ぐ「居抜き」型。自民党の役員や閣僚メンバーの入れ替えはあっても、掲げる政策の大半は安倍路線と変わらない

▼東京では今夏、遊園地の老舗「としまえん」が惜しまれながら閉園した。跡地には小説や映画で人気の「ハリー・ポッター」のテーマパークができるとあって新たな期待も。そこで菅氏に一言。「○×△ミクス」のような呪文を唱えて国政の遅滞を取り繕うのはもうやめに。国民を操る魔術が存在せぬことは、くれぐれもご承知おきを。

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