歴史刻み90年超「解体せず残して」みずほ銀行久留米支店、来月移転

西日本新聞 筑後版 野村 大輔

 大正期の94年前にできた社屋が久留米市民になじみ深い「みずほ銀行久留米支店」(福岡県同市日吉町)が、10月12日に移転することが分かった。五差路の本町交差点に面した市街地の社屋は、久留米空襲で焼失せず、街の復興と発展を見届けてきた歴史の“証人”でもある。今後、建物がどうなるかは決まっていないが、地元からは保存と活用を求める声が聞こえてくる。

 みずほ銀行によると、久留米支店は店舗網再編の一環で、福岡支店(福岡市)内へ移る。今後は久留米に行員は常駐しない。現金自動預払機(ATM)は現在地で当面、稼働させるという。

 前身である第一銀行の久留米支店が、現在の久留米市役所近くの場所に開設されたのは1919(大正8)年。現在の社屋は26(大正15)年、仕立物業「志まや」(現アサヒシューズ)の跡地に建てられた。設計は数々の銀行建築を手掛けた西村好時が行った。

 コンクリート造りの堅固な社屋は、市街地を焼き尽くした45年8月11日の久留米空襲での焼失をまぬがれ、53年には筑後川大水害も経験した。こうした事情を踏まえ、市文化財保護課も建物の歴史的価値に関心を寄せている。

 近くで生まれ育った「三本松・本町通り明るい町づくり推進協議会」の森久副会長(52)は「建物自体に物語があり、解体せずに残してほしい」と話す。

 今年8月末には、支店のはす向かいにあった老舗菓子店「あわやおこし本舗」も閉店した。JR久留米駅と西鉄久留米駅の間に位置し、ロータリーが設けられた時期もあるほど交通量も多かった本町交差点。かつてのにぎわいが失われ、森さんは「(支店社屋を)人が常に集まる場所として再活用してほしい」と期待する。 (野村大輔)

福岡県の天気予報

PR

福岡 アクセスランキング

PR

注目のテーマ