「忖度(そんたく)」はこんなところに…

西日本新聞 社会面 山田 育代

 「忖度(そんたく)」はこんなところにまではびこっていた。

 ある自治体の人権啓発団体は、人権問題のラジオ番組を制作している。実際に作るのは受注会社で、団体側が設定したテーマに合うシナリオをコンペで競う。

 テーマの一つに挙げられたのが、女性の人権問題。ある受注会社では、コンペに向けてこんな議論が行われた。

 この自治体の議会は、女性議員の人数が少ない。日本は国会議員の女性比率も先進国で最低水準。誰もが政治参加しやすい社会づくりを訴える内容にしてはどうか-。だが上司は却下したという。過去のコンペ経験から「議会や国に批判的なシナリオを、自治体が通すわけがない」と。

 受注会社としては当たり前の自主判断だろう。でもこうした小さな「忖度」により、議論の俎上(そじょう)にも載らない課題があちこちに眠っている気がしてならない。新首相には、そんな空気を一掃してもらいたい。 (山田育代)

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